再び休校措置が取られるかもしれない(写真はイメージ)
新型コロナに感染した場合、入院中は両親やきょうだいとも会えない。なかには入院には至らないものの、ひとりきりでホテル療養せざるを得ない子供もいるという。
「私が担当した中でも、小学校低学年のお子さんが1人でホテルに隔離されるケースがありました。隔離生活は子供にとって精神的にも非常に負担が大きいと感じました」
子供の感染者が増えているのは、変異株の中でも「英国株」の感染拡大が要因だとみられている。英国株は3月上旬から国内で感染を広げ始めた。国立感染症研究所によると、5月9日時点で首都圏では新規感染者の約90%、大阪府、兵庫県ではほぼ100%が英国株に切り替わっているという。
英国株は従来のウイルスよりも感染力が強く、重症化しやすいといわれている。新型コロナウイルスは、人の細胞の表面にある「ACE2受容体」というたんぱく質と結合することで、細胞内に侵入して感染する。これまで、子供の細胞はACE2受容体が少ないため、感染しにくいと考えられてきた。
ところが英国株では、ACE2受容体に結合するためのウイルスの突起部分(スパイクタンパク質)が強力化され、ACE2受容体が少なくても細胞に侵入できるようになった。そのため従来は感染しにくかった子供や若年層にも感染が広がっているというのだ。
すでに英国株への感染で若年層の死者も出ている。5月上旬、京都市在住の20代男性が、コロナによる肺炎とみられる症状で亡くなった。男性は4月29日に発熱やせきなどの症状があり、5月2日にPCR検査で陽性が判明。基礎疾患がないため自宅療養していたが、5日に保健所からの電話がつながらなくなり、6日に死亡が確認されたという。
※女性セブン2021年6月3日号