「利回りが10%前後と言われてね、そりゃ飛びつきますよ。実際に別の物件を見せてもらったんだけど、黒い壁でおしゃれだし、若い住人で満室。サブリースだから毎月決まった収益が上げられリスクも低い、そう説明されたんです」(鎌田さん)
建設はあっという間に進み、鎌田さんは晴れてアパートオーナーになった。しかし、アパートを見に行ってみると、入居者の姿が見えない。「コロナの影響も大きい」と言われ引き下がっていたが、今回の事件報道以降、則武の担当者とは全く連絡が取れなくなっているという。
「身を切って家賃の減額などを行い、最近になってやっと入居者が増え始めたところで事故です。則武には何度連絡しても繋がらない。不安なので専門家を呼んで見てもらったのですが、今すぐ補修が必要な箇所が何箇所も発見されました。これを直すだけでも数百万かかりますし、居住者も出て行き始めている。収益はないのに、返すものは返さなきゃならない。これからが地獄です」(鎌田さん)
筆者の調べによると「則武物件」を動画やブログ、サロンなどで紹介・飯場師することで「紹介料」を稼いでいるような人々も存在しており、その構造の全容も近いうちに明らかになるのかもしれない。上記で紹介したような体験をしている建設会社、オーナーは他にも多数存在しており、今後さらなる混乱が起きることは必至だ。