「今の若手はネタをしっかりと作るからすごい」(撮影:横田徹)
デビューから半世紀 「お笑い」はどう変わったか
数々の困難を乗り越えて芸能生活51周年を迎えた間寛平。長引くコロナ禍で熊本でのプレ公演は延期となったものの、6月6日からは東京を皮切りに『芸能生活50周年+1 記念ツアー』が開催される予定だ。
記念ツアーの公演では、間寛平が座長を務める新喜劇はもちろんのこと、ミルクボーイや見取り図、おいでやすこが、和牛など、新しい世代のお笑い芸人も多数出演する。この50年間でのお笑い業界における変化について、間寛平はこう語る。
「今の時代やったら、僕が芸人になるのは難しいと思いますよ。昔は“悪いことやっとったら吉本に入れるぞ!”って言われるような会社やったんですよ。けど今は大学をちゃんと卒業した人がたくさん来てますから。
今の若手はネタをしっかりと作るからすごいなと思う。ちゃんと考えていて、面白いなと思うもん。喋りも達者やし。この前R-1グランプリで優勝したゆりやんレトリィバァなんかも、なかなかやで。1人でああいうの作るのは大変やな思うもん。
僕らの時代はもう行き当たりばったりでしたよ。1人でやるといえば、村上ショージが足に長い紐をつけてヤカン引っ張って(歩いて)、ガラガラ鳴ったら(振り向いて)“誰?”とかそういうので。そんなん自分で引っ張ってるやん。今の若い人はそんなこと誰もせえへんで(笑)。もうちょっとなんか考えて作ってる」
さらに、関西弁が全国的に普及したこともこの50年間における大きな変化のようだ。
「昔は関西弁が関西の人にしかわからへんかった。それが、(明石家)さんまちゃんのおかげで関東の人でもわかるようになっていった。あとはダウンタウン。彼らが活躍したから、東京で“アホ!”言うてもわかってくれるようになってきた。
僕ら関西人からしたら“アホちゃうか!”って褒め言葉やから。坂田利夫なんか自分で“アホアホ”って言うてるでしょ(笑)。だから言われたらすごく嬉しい言葉なんですよ。それが関東にもどんどん伝わっていって、今はありがたいなと思う」