ミュージシャンとしても活動している(撮影:横田徹)

新譜もリリースした(撮影:横田徹)

故・忌野清志郎との友情

 お笑いのほか、1970年代から歌手としても活動し続けている間寛平。デビュー曲でもあるコミックソング『ひらけ!チューリップ』ではミリオンセラーを達成したこともある。そんな彼は今回の芸能生活51周年に合わせ、新たなCD『8、9、10の歌〜BEAT THE CORONA(コロナに負けるな)〜』をリリース。制作にかけた思いをこのように明かす。

「今はこんな時代やから、負けたらあかんやん。落ち込んだらあかん。そのためにこんなCDを作ったんやと思う」

 また、間寛平と言えば2009年に他界したミュージシャンの故・忌野清志郎と交友関係が深かったことでも知られている。2001年のアルバム『ジャングル野郎』では楽曲提供も受けていた。

「やっぱり清志郎さんの存在は大きいですね。あの人は優しいし、けれども自分の意志は絶対に通す。『ジャングル・ジム』の歌詞だって、すごいな思うてね。“ああ、この人はこんなに前を向いているんだな”って。

 すごいロックな人やなと思います。僕は普通の友達付き合いをしてたから、飲みに行って“キヨちゃん、曲作ってや”とか気軽に言うてましたけど、友達じゃなかったらそんなことは言えない。いろんなミュージシャンから愛されていて、本当にすごい人なんやなと」

 最後に『芸能生活50周年+1 記念ツアー』の見どころについて、若い人に向けてこう語った。

「今は新喜劇といえば小籔(千豊)とかすっちーの時代で、彼らは彼らでいいんですけど、昔の芝居もそれはそれで別の面白さがあるんですよ。今回は僕らが吉本に入ったばかりの頃にやっていたような芝居をわかりやすい形でやります。コテコテの定番です。“こんなんやってたんや!”っていう驚きもあると思うので、ぜひ見て欲しいなと思います」

 幾多の困難に直面しながらも、軽やかな笑いに転じて世間を楽しませてきた間寛平。そんな彼が披露する“コテコテ”の芸は、50年前をリアルタイムでは知らない若い世代にとってこそ、むしろ新鮮に映るのかもしれない。

◆取材・文/細田成嗣(HEW)

デビュー50年を超えても意欲は衰えない(撮影:横田徹)

デビュー50年を超えても意欲は衰えない(撮影:横田徹)

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