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2021.06.01 11:00  週刊ポスト

反政権も政権擁護もある陰謀論 共通するのは「マスコミへの不信感」

陰謀論が現れる背景は?(写真はイメージ)

陰謀論が現れる背景は?(写真はイメージ)

 今、日本ではかつてないほど「陰謀論」が流行している。ネットで語られている陰謀論には、政府を黒幕と位置づけるようなものも多い。政権の不祥事から世間の目をそらすために、芸能ニュースになる事件を政権が仕掛けている──という陰謀論は、しょっちゅう出てくる。

 2019年11月に女優の沢尻エリカが麻薬取締法違反容疑で逮捕されたのは、国会で安倍政権が「桜を見る会」を巡る疑惑で野党から激しく追及されている頃だった。

 この件についてタレントのラサール石井は、ツイッターで「まただよ。政府が問題を起こし、マスコミがネタにし始めると芸能人が逮捕される。これもう冗談じゃなく、次期逮捕予定者リストがあって、誰かがゴーサイン出してるでしょ」とつぶやき、鳩山由紀夫元首相も、「みなさんが指摘するように、政府がスキャンダルを犯したとき、それ以上に国民が関心を示すスキャンダルで政府のスキャンダルを覆い隠すのが目的である」とツイートして話題になった。

「日本の縦割り行政で、領収書や資料の破棄と芸能人の逮捕のタイミングを合わせるのは至難の業です。行政の現場を理解していれば分かるはずですが……」(陰謀論に詳しい評論家の真鍋厚氏)

 最近でも、「星野源と新垣結衣の結婚発表は、自衛隊のワクチン接種の予約システムに欠陥があったことをごまかすため」という言説が出ている。

 日本ではなく海外が黒幕というパターンもある。

 東京五輪組織委員会の森喜朗会長が女性差別とも受け取れる発言の責任をとって会長を辞任した際には、「中国が新疆ウイグル問題で出てきた北京五輪ボイコット論を打ち消すため、森氏の発言を拡散し、騒ぎを起こして注目を逸らそうとした」という説がまことしやかに伝えられた。

 このように陰謀論には反政権もあれば政権擁護のものもあるが、両者に共通するのはマスコミ報道への不信感だと、ノンフィクション作家の田中聡氏(著書に『陰謀論の正体!』は言う。

「たとえば、政府はコロナ後遺症やワクチンの副反応について大々的に公表しないし、テレビ、新聞もあまり取り上げません。そうなると、『マスコミ報道では何が本当なのかわからない』という不信感が高まり、ネットで調べたりすると、マスコミとは違った情報が溢れていて、情報の落差に驚く。すると不信感がますます募り、陰謀論の“真実”も受け入れやすくなります」

※週刊ポスト2021年6月11日号

森喜朗氏(時事通信フォト)

森喜朗氏(時事通信フォト)

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