おふくろの味にカテゴライズされるメニューを男性に披露するのは、女性のテッパン恋愛ワザである。男性はどうもあの地味かつ、くせになる旨味成分の出汁に餌付けされてしまうらしい。今後、女性におでんを振る舞われたら、それは結婚を匂わせるカウントダウンだと思っていい。
そんな危険な(?)メニューが登場した『リコカツ』もあと2話で最終回を迎える。純は第7話で性懲りも無く、今度は煮物を持って紘一の実家へ参上していた。彼女は出汁と醤油を何かの魔法と思っているのだろうか。ただ物語は流れて、第8話終盤で紘一にはきっぱりと振られていた。咲にも今までのことを謝罪していたけれど、とても簡単に引き下がるとは思えないので、最終回まで監視しなければならない。
【プロフィール】こばやし・ひさの/静岡県浜松市出身のエッセイスト、ライター、編集者、クリエイティブディレクター。これまでに企画、編集、執筆を手がけた単行本は100冊以上。女性の意識改革をライトに提案したエッセイ『結婚してもしなくてもうるわしきかな人生』(KKベストセラーズ刊)が好評発売中。