芸能

西城秀樹が47歳で授かった長女に「こんな幸せが訪れるなんて」

昭和の大スターも晩年は病気に苦しんだ(時事)

昭和の大スターも晩年は病気に苦しんだ(時事)

 芸能界には今も徒弟制度が残っている。言葉やマニュアルにできない「芸」や「しきたり」を身に付けるには、それが手っ取り早いからでもある。『週刊ポスト』(6月18日発売号)では、昭和のカリスマの師弟関係を特集しているが、その特別版として、2018年に急逝した歌手・西城秀樹さんと付き人だったお笑いタレント・みっちーさんの師弟関係を紹介する。みっちーさんは、西城さんの生前は「付き人だったことをウリにしてはダメだ」と自分に言い聞かせて、二人の関係を公言することはなかった。死後に感謝の気持ちを語るために経歴を明かしたみっちーさんに、改めて西城さんとの思い出に聞いた。

 * * *
 西城さんの付き人をしていたのは2002年から1年半くらいです。実は、西城さんに憧れてとか、歌手になりたくて、といった理由ではなかったんです。

 当時僕は25歳で俳優を目指していたのですが、時折エキストラに呼ばれるくらいで芽が出ませんでした。あるとき求人情報誌を見ていたら、「歌手の運転手募集」とあって、芸能界を裏方から見るのも勉強だと思って応募したんです。歌手が誰かもわかりませんでしたが、最初の面接で西城さんだと知らされ、次の面接では西城さんにお会いしました。

 だから本当は師弟と呼べる関係ではなかったかもしれないのですが(笑)、第一印象は「快活な兄貴みたいな人」でしたね。でも、芸能界の大スターですから、ちょっと怖いなあとも思っていました。それで採用されて、西城さんの自宅に近いアパートに住んで運転手兼付き人として働き始めました。

 最初の頃の印象ですか? スターって本当に身の回りのことは何もしないんだなあって(笑)。家の中でクリーニングに出す服を集めて回ったり、シーツを換えたり、着替えを手伝ったり、洗車もします。道順なんかも結構うるさく言われましたね。いや、これ悪口じゃないですよ(笑)。

 とにかくよくご飯を食べさせてもらいました。週4回くらいは外食で、ゴルフの打ちっぱなしで知り合った財界の大物とか芸能界の人とか、分け隔てなく仲良くなられる人で、僕も同席させてもらいました。「自分は食えない時代が辛かったから、周りにはそういう思いをさせたくない」とおっしゃっていました。

 よく覚えているのは二人だけで近所の焼肉店に行ったときのことです。ちょうどご長女が生まれたばかりでしたが、「こんな幸せが訪れるなんて思わなかったなあ」と本当にうれしそうに言うんです。僕が「日本レコード大賞とか、すばらしいことはいっぱいあったじゃないですか」と言うと、「それよりずっと幸せなんだ」と、しみじみ話すんですよ。あれほどの大スターでも、子供の存在というのは特別なんだなあと感じました(※西城さんは46歳で結婚し、47歳で長女を授かった)。

関連キーワード

関連記事

トピックス

大谷と真美子さんを支える「絶対的味方」の存在とは
《ドッグフードビジネスを展開していた》大谷翔平のファミリー財団に“協力するはずだった人物”…真美子さんとも仲良く観戦の過去、現在は“動向がわからない”
NEWSポストセブン
山上徹也被告(共同通信社)
「金の無心をする時にのみ連絡」「断ると腕にしがみついて…」山上徹也被告の妹が証言した“母へのリアルな感情”と“家庭への絶望”【安倍元首相銃撃事件・公判】
NEWSポストセブン
被害者の女性と”関係のもつれ”があったのか...
《赤坂ライブハウス殺人未遂》「長男としてのプレッシャーもあったのかも」陸上自衛官・大津陽一郎容疑者の “恵まれた生育環境”、不倫が信じられない「家族仲のよさ」
NEWSポストセブン
悠仁さま(2025年11月日、写真/JMPA)
《初めての離島でのご公務》悠仁さま、デフリンピック観戦で紀子さまと伊豆大島へ 「大丈夫!勝つ!」とオリエンテーリングの選手を手話で応援 
女性セブン
11月24日0時半ごろ、東京都足立区梅島の国道でひき逃げ事故が発生した(読者提供)
《足立暴走男の母親が涙の謝罪》「医師から運転を止められていた」母が語った“事件の背景\\\"とは
NEWSポストセブン
大谷翔平が次のWBC出場へ 真美子さんの帰国は実現するのか(左・時事通信フォト)
《大谷翔平選手交えたLINEグループでやりとりも》真美子さん、産後対面できていないラガーマン兄は九州に…日本帰国のタイミングは
NEWSポストセブン
高市早苗首相(時事通信フォト)
《日中外交で露呈》安倍元首相にあって高市首相になかったもの…親中派不在で盛り上がる自民党内「支持率はもっと上がる」
NEWSポストセブン
11月24日0時半ごろ、東京都足立区梅島の国道でひき逃げ事故が発生した(現場写真/読者提供)
【“分厚い黒ジャケット男” の映像入手】「AED持ってきて!」2人死亡・足立暴走男が犯行直前に見せた“奇妙な”行動
NEWSポストセブン
高市早苗首相の「台湾有事」発言以降、日中関係の悪化が止まらない(時事通信フォト)
「現地の中国人たちは冷めて見ている人がほとんど」日中関係に緊張高まるも…日本人駐在員が明かしたリアルな反応
NEWSポストセブン
10月22日、殺人未遂の疑いで東京都練馬区の国家公務員・大津陽一郎容疑者(43)が逮捕された(時事通信フォト/共同通信)
《赤坂ライブハウス刺傷》「2~3日帰らないときもあったみたいだけど…」家族思いの妻子もち自衛官がなぜ”待ち伏せ犯行”…、親族が語る容疑者の人物像とは
NEWSポストセブン
ミセス・若井(左、Xより)との“通い愛”を報じられたNiziUのNINA(右、Instagramより)
《ミセス若井と“通い愛”》「嫌なことや、聞きたくないことも入ってきた」NiziU・NINAが涙ながらに吐露した“苦悩”、前向きに披露した「きっかけになったギター演奏」
NEWSポストセブン
「ラオ・シルク・レジデンス」を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月21日、撮影/横田紋子)
「華やかさと品の良さが絶妙」愛子さま、淡いラベンダーのワンピにピンクのボレロでフェミニンなコーデ
NEWSポストセブン