旧型より1クラス上がった性能
そのノートに今年3月追加されたAWDの上位グレード「X FOUR 4WD」を1500kmあまりドライブする機会があった。実際に試乗してみると、日産の電動化技術に関する今後の戦略が垣間見えるような興味深い仕立てだったので、インプレッションをお届けしようと思う。
日産「ノート X FOUR」(東神奈川の波止場近くにて)
まずはクルマの概要について。先にも触れたが、第3世代ノートは旧型が同社のベーシックカー「マーチ」と共通の新興国モデル用プラットフォーム(クルマの基本部分)を使って作られていたのに対し、1クラス上の先進国向けモジュールで作られている。
e-POWERのエンジン、発電機、走行用モーターが入ったエンジンルーム
パワートレインは最高出力60kW(82ps)の直列3気筒1.2リットルエンジンがセットアップされた発電機と総容量1.5kWhのリチウムイオン電池パックで前輪軸に設けられた最高出力85kW(116ps)の駆動用電気モーターを回すというものだ。
AWDは後輪軸に出力50kW(68ps)の電気モーターを追加するという形で作られている。前後輪の間はプロペラシャフトで連結されておらず、それぞれの電気モーターが完全に独立しているという、俗に言うデュアルモーターである。
ドライブルートは東京から長野・安房峠、飛騨高山経由で福井に抜け、そこからは山陰道を通って九州に入り、鹿児島に達するというもので、総走行距離は1541.8km。道路のおおまかな比率は市街地1、郊外路および自動車専用道路5、高速2、山岳路2。