長足の進化を遂げた乗り心地と静粛性
旧型から長足の進化を遂げたのは乗り心地と静粛性。とりわけ素晴らしかったのは静粛性で、老朽化でざらつきがきつくなった高速道路など一部を除き、大半のユーザーが静かだと評価するレベルであった。
乗り心地と静粛性は旧型より格段に進化(島根最西部、持石海岸付近にて)
乗り心地は悪路におけるゴトゴト感が激減し、大変滑らかになったが、第3世代ノートの実勢価格の高さを思うと、さらなる滑らかさを目指してほしいところ。タイヤはブリヂストン「エコピア EP25」という省燃費モデルだったが、交換時にこれをプレミアム系モデルに変えればそれだけでもかなり違ってくるのではないかとも思った。
満タン法による実測燃費は、埼玉・川口で満タン給油後、福井の越前市までの山岳路を多分に含む486.0km区間が21.5km/l。そこから山口・長門市まで高速、高規格幹線道路主体で走った620.8km区間も21.5km/l。その後、最終目的地である鹿児島までの413.8km区間が20.5km。
全般的にスピードが速かったり山岳路が多かったりと、シリーズハイブリッドが苦手とする高負荷運転が多かったためにスコアとしては伸び悩んだが、それでもロングランで20km/lというガソリンエコカーのボーダーラインは超えることができた。
試乗の最終目的地、鹿児島。遠景の山は桜島
日産の経営は依然として非常に厳しい状況にあるが、ノートAWDのパフォーマンスは内田誠社長の「我々のポテンシャルはこんなものでは断じてないと信じる」という言葉に期待を抱かせるだけのものではあった。今後の日産の戦いぶりは要注目だ。