ビジネス

コロナ禍で、外国人選手のセカンドキャリア勝ち組は

五郎丸歩さん

引退会見に臨むラグビー元日本代表の五郎丸歩さん。(c)時事(ヤマハ発動機提供)

 ラグビー元日本代表でトップリーグ「ヤマハ発動機」を今季限りで引退した五郎丸歩さん。今後はヤマハ発動機が立ち上げる新会社のマネジメントに携わると発表した。現役時代華々しい活躍をしたトップアスリートであっても、監督やコーチの道へは進まない選択も増え、プロスポーツ選手のセカンドキャリアについて注目されるようになっている。

 では、海外から来日して日本のチームに入った外国人選手は引退後、どうしているのだろうか。たとえば、元プロ野球選手で横浜DeNAベイスターズ元監督のアレックス・ラミレスさんのように、日本人女性と結婚し3児の父親となり、監督退任後は“専業主夫”となって日本で家族と暮らす元選手もいる。

DeNAのラミレス元監督。退任を表明した2020年10月の会見で。(c)時事

DeNAのラミレス元監督。退任を表明した2020年10月の会見で。(c)時事

 ただ、コロナ禍で外国人選手にとっての状況はさらにシビアになっている。メインスポンサーがチームから撤退し、資金難から外国人選手が解雇されるケースも増えた。他チームへの移籍も厳しい上、日本に残って新たな就職先を見つけるのは難しく、世界的にコロナの収束が見えない中、本国に戻っても就ける仕事は少ない。

「私のチームメートもコロナ以降、アメリカへ帰国を余儀なくされました。彼は子どもが生まれたばかりなので、家族を養うために近所の人にフィットネスのレッスンをしたりして、食いつなぎながら、日本のチームに再び戻れるチャンスをうかがっています。でも一方、中にはそのままアスリート人生をあきらめてしまう仲間もいて、とても残念」

 こう話すのは、Xリーグ(日本の社会人アメリカンフットボールリーグ)「イコールワン福岡SUNS」の現役選手ドニー・キングさん。アメフトの強豪・ハワイ大学を卒業後スカウトされ来日し、Xリーグで活躍してきた人気選手だ。そんな彼も先を見据えた挑戦をしたい、と言う。

アメフト「イコールワン福岡SUNS」のドニー・キングさんは現役選手でありながらビジネスマンでもありデュアルキャリアを築く。

アメフト「イコールワン福岡SUNS」のドニー・キングさんは現役選手でありながらビジネスマンでもありデュアルキャリアを築く。

「いつか引退した時、履歴書に書くのは【フットボール選手】だけではなく、ビジネスマンとしても成功したい。今から、デュアルキャリアとして複数のキャリアを走らせていこうと考えています」(ドニーさん)

 Xリーグの場合、1チームに外国人選手が所属できる枠は4名。それぞれの外国人選手に支払われるのは月に約50万円。昨今の情勢では上位8チーム(X1 SUPER)でさえ、そこまでの資金力を持つことは難しく、優秀な外国人選手がいてもチームへ獲得することに二の足を踏んだり、手放さなくてはならないという。

 しかし、選手としての収入は月10万円でもいいから週末だけプレイ。そして平日は社会人として別の仕事をもつ。そんな働き方ができれば、選手にとっても選択の幅は広がる。

関連キーワード

関連記事

トピックス

大谷翔平がこだわる回転効率とは何か(時事通信フォト)
《メジャー自己最速164キロ記録》大谷翔平が重視する“回転効率”とは何か? 今永昇太や佐々木朗希とも違う“打ちにくい球”の正体 肩やヒジへの負担を懸念する声も
週刊ポスト
竹内朋香さん(27)と伊藤凛さん(26)は、ものの数分間のうちに刺殺されたとされている(飲食店紹介サイトより。現在は削除済み)
「ギャー!!と悲鳴が…」「血のついた黒い服の切れ端がたくさん…」常連客の山下市郎容疑者が“ククリナイフ”で深夜のバーを襲撃《浜松市ガールズバー店員刺殺》
NEWSポストセブン
和久井学被告と、当時25歳だった元キャバクラ店経営者の女性・Aさん
【新宿タワマン殺人・初公判】「オフ会でBBQ、2人でお台場デートにも…」和久井学被告の弁護人が主張した25歳被害女性の「振る舞い」
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(Instagramより)
《愛するネコは無事発見》遠野なぎこが明かしていた「冷房嫌い」 夏でもヒートテックで「眠っている間に脱水症状」も 【遺体の身元確認中】
NEWSポストセブン
『凡夫 寺島知裕。「BUBKA」を作った男』(清談社Publico)を執筆した作家・樋口毅宏氏
「元部下として本にした。それ自体が罪滅ぼしなんです」…雑誌『BUBKA』を生み出した男の「モラハラ・セクハラ」まみれの“負の爪痕”
NEWSポストセブン
ブラジルを公式訪問されている秋篠宮家の次女・佳子さま(2025年6月4日、撮影/JMPA)
「佳子さまは大学院で学位取得」とブラジル大手通信社が“学歴デマ報道”  宮内庁は「全報道への対応は困難。訂正は求めていません」と回答
NEWSポストセブン
米田
「元祖二刀流」の米田哲也氏が大谷翔平の打撃を「乗っているよな」と評す 缶チューハイ万引き逮捕後初告白で「巨人に移籍していれば投手本塁打数は歴代1位だった」と語る
NEWSポストセブン
花田優一が語った福田典子アナへの“熱い愛”
《福田典子アナへの“熱い愛”を直撃》花田優一が語った新恋人との生活と再婚の可能性「お互いのリズムで足並みを揃えながら、寄り添って進んでいこうと思います」
週刊ポスト
生成AIを用いた佳子さまの動画が拡散されている(時事通信フォト)
「佳子さまの水着姿」「佳子さまダンス」…拡散する生成AI“ディープフェイク”に宮内庁は「必要に応じて警察庁を始めとする関係省庁等と対応を行う」
NEWSポストセブン
まだ重要な問題が残されている(中居正広氏/時事通信フォト)
中居正広氏と被害女性Aさんの“事案後のメール”に「フジ幹部B氏」が繰り返し登場する動かぬ証拠 「業務の延長線上」だったのか、残された最後の問題
週刊ポスト
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《ブログが主な収入源…》女優・遠野なぎこ、レギュラー番組“全滅”で悩んでいた「金銭苦」、1週間前に公表した「診断結果」「薬の処方」
NEWSポストセブン
ホストクラブや風俗店、飲食店のネオン看板がひしめく新宿歌舞伎町(イメージ、時事通信フォト)
《「歌舞伎町弁護士」のもとにやって来た相談者は「女風」のセラピスト》3か月でホストを諦めた男性に声を掛けた「紫色の靴を履いた男」
NEWSポストセブン