口臭、体臭、加齢臭はにんじんとりんごで防ぐ(Getty Images)
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「夫の加齢臭を指摘したら、“お前も人のことは言えないよ”と言い返された」「マスク生活で口臭が気になり始めた」……自分では気づきにくいからこそおそろしい、口臭、体臭、加齢臭。なんとか解消する方法はないものか。
汗ばむ時期になるたびに、自分のにおいが気になる人は多いだろう。医師でにおい評論家の桐村里紗さんによれば、体臭とは“皮膚から立ちのぼる揮発性のにおい分子全般”のことだという。
「汗をかいて放置するとすっぱいにおいがするのは、汗と混ざり合った垢やミネラルなどを皮膚の常在菌が分解する際に発生する酢酸が原因です。
また、汗に含まれる乳酸が分解されてできたにおい分子に、皮脂に含まれる中鎖脂肪酸が結合すると、40代以降に出やすいといわれる、いわゆる“ミドル脂臭”になる。“枕についたイヤなにおい”といえば、想像しやすいでしょう。
さらに年齢を重ねて皮脂に『ノネナール』という成分が含まれるようになると、枯れ草や古本のようなにおいの加齢臭に」(桐村さん・以下同)
こうしたにおい分子の原因は、多くが生活習慣にある。たとえば、日常的に体を動かして汗をかいているスポーツ選手などは、汗のにおいはほとんどしないという。
「汗をかきなれている人は、いわば汗腺が鍛えられている状態。ミネラルを再吸収する機能が高いので、かく汗の99%以上が水分です。そのため、常在菌のえさになるものがなく、におい分子が発生しません。
一方で、加齢臭の原因物質は50代以降に増えるとされており、これは皮脂が酸化することでつくられます。
加齢臭は男性のものだと思われがちですが、女性でも、閉経後は皮脂の酸化を抑える働きのある女性ホルモンが急激に減少するため、加齢臭が発生するのです」
動物性脂肪や質の悪い油の多い食事を続けていると、20~30代でも早期加齢臭がする人もいる。
管理栄養士の菊池真由子さんは、加齢臭の予防には、緑黄色野菜が効果的だと話す。
「緑黄色野菜に豊富なβカロテンには、非常に強い抗酸化作用があり、加齢臭そのものを防ぐ働きがあります」
代表的な緑黄色野菜には、にんじんやかぼちゃ、小松菜、モロヘイヤ、ピーマンなどがある。菊池さんによれば、緑黄色野菜の中でも、にんじんはβカロテンが最も多く、抗酸化力がトップクラスだという。