落語家になることで“巣立ち”ができたという(時事通信フォト)
「噺家になることで独り立ちできた」
“宇宙人・松本人志”との出会いは方正に活躍の場を与えたものの、一方でその影響圏からなかなか抜け出せないという悩みも抱えてしまうようになったという。だが落語の世界へと進んだことが、そうした圏域を脱するきっかけとなったそうだ。
「正直に言うと、松本さんはあまりにも圧倒的にすごすぎて、そこからなかなか出られなかったというのもありました。『なんとか出れないか』とずっと思っていたんです。おんぶに抱っこの状態だったので。
けれど噺家になって、ようやくそこから脱出することができた。ずっと喉につかえていた『このままじゃあかん』という気持ちも無くなりました。落語活動を始めたことで独り立ちすることができたんです」(月亭方正)
さらに方正は、落語家となることでダウンタウンとの接し方も変化したと語る。
「ダウンタウンさんとはもう30年近くご一緒させてもらっているんですけど、落語家になってからは接し方が変わりました。例えば楽屋で弁当を食べている時、昔は食べ終わった弁当なんてそのまま放っておいたんですよ。けれど今では松本さんや浜田さんの弁当を僕がささっと片付けるんです。そういう当たり前の気遣いを当たり前にできるようになりました」