芸能

『100日間生きたワニ』監督夫妻、コロナ禍で「脚本を大幅に書き直した」

共同監督を務めた上田慎一郎さん、ふくだみゆきさん夫妻

共同監督を務めた上田慎一郎さん、ふくだみゆきさん夫妻

 最終話がTwitterで国内歴代最多の「いいね」を獲得し、ツイートに対してどれだけ反応があったかを表すエンゲージメントも2億を超えた大ヒット漫画『100日後に死ぬワニ』が、アニメーション映画『100日間生きたワニ』になって7月9日から公開されている。メガホンを取ったのは、映画『カメラを止めるな!』の監督・上田慎一郎さんと、同じく映画監督・アニメーターとしても活躍する妻のふくだみゆきさん。100日間のワニの日常と、そこから100日後の仲間達の姿をオリジナルストーリーとして展開した本作。夫妻で共同監督をすることや、コロナ禍での映画制作について聞いた。

 一日一話のカウントダウン形式で公開され、一大ムーブメントとなった漫画『100日後に死ぬワニ』。上田さんとふくださん夫妻も、漫画家・イラストレーターのきくちゆうきさんが自身のTwitterで毎日公開する原作を早い段階から読んでいたと言う。

上田「ぼくは2日目から読んでいて、30日目の頃には映画の企画書を作っていました。流行りに便乗しようというわけではなく、すごく映画的な漫画だなと思ったんです。多くを語らない余白のようなものがあって。

 Twitterのリプライ欄がすごく賑わっていたのも印象的でした。みんなが自分の感じたことを言いたくなるんですよね。それですごく映画化したくなって、最初は実写化映画の企画として企画書を出したんです」

ふくだ「私も同じタイミングで知り、物語の行方を追いかけ続けていました。上田が企画書を出した段階では、まさか自分も共同監督になるとは思っていなくて。上田の企画書を見て下さった東宝さんから、上田と私の共同監督で、アニメ作品としてやりませんか?という風にお声がけいただいたんです」

 2人の共同監督・脚本という形をとっている本作。お互い映画監督として活躍しているが、意外にも、役割分担をしようという事前の取り決めはなかったそうだ。

上田「得意なところが全然違うので、自然と役割が分担されていったという感じです。例えば、構成的なところはぼくが中心になり、脚本はふくだが最初に書いて、それを受け取ってぼくがブラッシュアップしていきました。他に編集や音響的な部分はぼくが中心で、絵のことはふくだが中心で担当したという感じです」

 真剣勝負の映画制作の現場において、意見の衝突はつきもの。いくら夫婦とはいえ、仕事として一つのプロジェクトを作り上げる際、喧嘩になったりすることはなかったのだろうか。

上田「取材の時に毎回聞かれるんですけど、それが本当に無いんですよね。喧嘩しているエピソードを作っておいた方がいいかな(笑い)」

ふくだ「この取材の直前も、『その方が盛り上がるかな?』って話していたぐらいで(笑い)。家でも仕事の話はめちゃくちゃするんです。この人が、1日の9割9分映画のことを考えている人なので、オンとオフが全然なくて。

 私は逆にオフになったらオフモードなんですが、例えば私がソファに寝転がってゲームをしている時も、急にガチのギアでシナリオの話をぶっ込んでくる(笑い)。私の方が気持ちの切り替えがついていかなくて、『ああ、仕事の話しなきゃ…』みたいな感じで大変でした。そもそも私たちの共通の話題が仕事か映画の話、もしくは息子の話なんですよね」

関連記事

トピックス

ヴィクトリア皇太子と夫のダニエル王子を招かれた天皇皇后両陛下(2025年10月14日、時事通信フォト)
「同じシルバーのお召し物が素敵」皇后雅子さま、夕食会ファッションは“クール”で洗練されたセットアップコーデ
NEWSポストセブン
高校時代の青木被告(集合写真)
【長野立てこもり殺人事件判決】「絞首刑になるのは長く辛く苦しいので、そういう死に方は嫌だ」死刑を言い渡された犯人が逮捕前に語っていた極刑への思い
NEWSポストセブン
ラブホテルから出てくる小川晶・市長(左)とX氏
【前橋市・小川晶市長に問われる“市長の資質”】「高級外車のドアを既婚部下に開けさせ、後部座席に乗り込みラブホへ」証拠動画で浮かび上がった“釈明会見の矛盾”
週刊ポスト
米倉涼子を追い詰めたのはだれか(時事通信フォト)
《米倉涼子マトリガサ入れ報道の深層》ダンサー恋人だけではない「モラハラ疑惑」「覚醒剤で逮捕」「隠し子」…男性のトラブルに巻き込まれるパターンが多いその人生
週刊ポスト
問題は小川晶・市長に政治家としての資質が問われていること(時事通信フォト)
「ズバリ、彼女の魅力は顔だよ」前橋市・小川晶市長、“ラブホ通い”発覚後も熱烈支援者からは擁護の声、支援団体幹部「彼女を信じているよ」
週刊ポスト
新聞・テレビにとってなぜ「高市政権ができない」ほうが有り難いのか(時事通信フォト)
《自民党総裁選の予測も大外れ》解散風を煽り「自民苦戦」を書き立てる新聞・テレビから透けて見える“高市政権では政権中枢に食い込めない”メディアの事情
週刊ポスト
ソフトバンクの佐藤直樹(時事通信フォト)
【独自】ソフトバンクドラ1佐藤直樹が婚約者への顔面殴打で警察沙汰 女性は「殺されるかと思った」リーグ優勝に貢献した“鷹のスピードスター”が男女トラブル 双方被害届の泥沼
NEWSポストセブン
出廷した水原一平被告(共同通信フォト)
《水原一平を待ち続ける》最愛の妻・Aさんが“引っ越し”、夫婦で住んでいた「プール付きマンション」を解約…「一平さんしか家族がいない」明かされていた一途な思い
NEWSポストセブン
公務に臨まれるたびに、そのファッションが注目を集める秋篠宮家の次女・佳子さま(共同通信社)
「スタイリストはいないの?」秋篠宮家・佳子さまがお召しになった“クッキリ服”に賛否、世界各地のSNSやウェブサイトで反響広まる
NEWSポストセブン
司組長が到着した。傘をさすのは竹内照明・弘道会会長だ
「110年の山口組の歴史に汚点を残すのでは…」山口組・司忍組長、竹内照明若頭が狙う“総本部奪還作戦”【警察は「壊滅まで解除はない」と強硬姿勢】
NEWSポストセブン
「第72回日本伝統工芸展京都展」を視察された秋篠宮家の次女・佳子さま(2025年10月10日、撮影/JMPA)
《京都ではんなりファッション》佳子さま、シンプルなアイボリーのセットアップに華やかさをプラス 和柄のスカーフは室町時代から続く京都の老舗ブランド
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 電撃解散なら「高市自民240議席の激勝」ほか
「週刊ポスト」本日発売! 電撃解散なら「高市自民240議席の激勝」ほか
NEWSポストセブン