スポーツ

高知の150km右腕・森木を攻略 明徳・馬淵監督の「直球対策」

中学時代から注目されていた高知高校の森木大智

中学時代から注目されていた高知高校の森木大智

 東京五輪での日本人選手の活躍が連日、報じられるなかで、全国各地では8月9日に開幕する夏の甲子園に向けた高校野球の地方大会が行なわれている。「スーパー中学生」と呼ばれ、高校進学前から注目を集めていた高知高校・森木大智の最後の夏となったが、またも強豪校の高い壁に阻まれる結果となった。高知大会決勝で高知高校との直接対決を制した明徳義塾は、いかにして森木を攻略したのか。そこに至るまでのドラマを紹介しよう。

 * * *
 春のセンバツを制した東海大相模(神奈川)や強豪校の星稜(石川)が新型コロナのクラスター発生によって地方大会の道半ばで出場を辞退し、東北では宮城・仙台育英や福島・聖光学院、青森・八戸学院大光星など、甲子園の常連校が思わぬ伏兵に敗れた。さらには市立和歌山の小園健太、天理(奈良)の達孝太といった今秋のドラフト上位候補もまた聖地にたどり着けなかった。

 無観客の東京五輪がメダルラッシュによって沸き立つその裏で、東京五輪の閉会式翌日に開会式を迎える夏の甲子園に向け、高校野球は大波乱の連続だ。

 そして高知では、中学時代に軟式球で150キロを記録し、この世代で最も注目を集めた豪腕・森木大智を擁する高知高校が決勝で馬淵史郎監督率いる明徳義塾に3対5で敗れた。

 世代ナンバーワン右腕と、高校野球の名伯楽の直接対決──果たしてこの結果は波瀾だったのか、それとも順当だったのだろうか。

 試合の直後、春野球場を訪れていた観客の前で、馬淵監督はこう打ち明けた。

「1年前からこの決勝戦を想定して、『速球打ち』と『無駄な点をやらない』ということをテーマにやってきた。それは間違いではなかったと思います」

 森木は3年前から、高知のスーパー中学生としてその存在が知られていた。馬淵監督は当時、今後3年間対戦することになるであろう森木のことを、強がるようにこう評していた。

「確かにええピッチャーよ。高知の宝やね。でも高校に入ってからののびしろで言ったら、うちの関戸(康介。その後、大阪桐蔭に進学)のほうが上かもしれん」

関連記事

トピックス

靖国神社の春と秋の例大祭、8月15日の終戦の日にはほぼ欠かさず参拝してきた高市早苗・首相(時事通信フォト)
高市早苗・首相「靖国神社電撃参拝プラン」が浮上、“Xデー”は安倍元首相が12年前の在任中に参拝した12月26日か 外交的にも政治日程上も制約が少なくなるタイミング
週刊ポスト
三重県を訪問された天皇皇后両陛下(2025年11月8日、撮影/JMPA)
《季節感あふれるアレンジ術》雅子さまの“秋の装い”、トレンドと歴史が組み合わさったブラウンコーデがすごい理由「スカーフ1枚で見違えるスタイル」【専門家が解説】
NEWSポストセブン
俳優の仲代達矢さん
【追悼】仲代達矢さんが明かしていた“最大のライバル”の存在 「人の10倍努力」して演劇に人生を捧げた名優の肉声
週刊ポスト
10月16日午前、40代の女性歌手が何者かに襲われた。”黒づくめ”の格好をした犯人は現在も逃走を続けている
《ポスターに謎の“バツ印”》「『キャー』と悲鳴が…」「現場にドバッと血のあと」ライブハウス開店待ちの女性シンガーを “黒づくめの男”が襲撃 状況証拠が示唆する犯行の計画性
NEWSポストセブン
全国でクマによる被害が相次いでいる(右の写真はサンプルです)
「熊に喰い尽くされ、骨がむき出しに」「大声をあげても襲ってくる」ベテラン猟師をも襲うクマの“驚くべき高知能”《昭和・平成“人食い熊”事件から学ぶクマ対策》
NEWSポストセブン
オールスターゲーム前のレッドカーペットに大谷翔平とともに登場。夫・翔平の横で際立つ特注ドレス(2025年7月15日)。写真=AP/アフロ
大谷真美子さん、米国生活2年目で洗練されたファッションセンス 眉毛サロン通いも? 高級ブランドの特注ドレスからファストファッションのジャケットまで着こなし【スタイリストが分析】
週刊ポスト
公金還流疑惑がさらに発覚(藤田文武・日本維新の会共同代表/時事通信フォト)
《新たな公金還流疑惑》「維新の会」大阪市議のデザイン会社に藤田文武・共同代表ら議員が総額984万円発注 藤田氏側は「適法だが今後は発注しない」と回答
週刊ポスト
“反日暴言ネット投稿”で注目を集める中国駐大阪総領事
「汚い首は斬ってやる」発言の中国総領事のSNS暴言癖 かつては民主化運動にも参加したリベラル派が40代でタカ派の戦狼外交官に転向 “柔軟な外交官”の評判も
週刊ポスト
超音波スカルプケアデバイスの「ソノリプロ」。強気の「90日間返金保証」の秘密とは──
超音波スカルプケアデバイス「ソノリプロ」開発者が明かす強気の「90日間全額返金保証」をつけられる理由とは《頭皮の気になる部分をケア》
NEWSポストセブン
三田寛子(時事通信フォト)
「あの嫁は何なんだ」「坊っちゃんが可哀想」三田寛子が過ごした苦労続きの新婚時代…新妻・能條愛未を“全力サポート”する理由
NEWSポストセブン
大相撲九州場所
九州場所「17年連続15日皆勤」の溜席の博多美人はなぜ通い続けられるのか 身支度は大変だが「江戸時代にタイムトリップしているような気持ちになれる」と語る
NEWSポストセブン
初代優勝者がつくったカクテル『鳳鳴(ほうめい)』。SUNTORY WORLD WHISKY「碧Ao」(右)をベースに日本の春を象徴する桜を使用したリキュール「KANADE〈奏〉桜」などが使われている
《“バーテンダーNo.1”が決まる》『サントリー ザ・バーテンダーアワード2025』に込められた未来へ続く「洋酒文化伝承」にかける思い
NEWSポストセブン