「森木攻略の自信なんてありません。うちとしてはとにかく食らいついていくだけ。追い込まれる前の甘い球を打たんとダメやね。追い込まれると、ストレートは速いわ、スライダーはあるわで。でも、三振はあまり取られない。うちの選手も150キロぐらいの球でも普通にバットに当てていましたから」
言葉の裏側にある自信の背景には、秘して行ってきた直球対策があったのだろう。
7月28日の高知大会決勝──。高知は守備の乱れから明徳に2点を奪われ、8回に一時は同点に追いついたものの、3対5で高知は敗れた。森木は150キロに迫る直球を投じて10三振を奪うが、低めの変化球を明徳の打者に見極められて与えた7四死球が痛恨だった。
徹底した直球対策と、相手のミスにつけ込む隙のない野球で、森木を攻略した。軍配は名伯楽にあがり、敗れた森木はかねてから公言していた高校からのプロ入りを改めて明言した。