河野太郎ワクチン担当相は、ひたすらワクチン供給を急ぐ(写真/共同通信社)

河野太郎ワクチン担当相は、ひたすらワクチン供給を急ぐ(写真/共同通信社)

「ファクターX」原因説も

 また、審議会では別の重要なことも言及された。委員の1人が、日本人に副反応が多い理由を「(海外の人と)体重の違いもあるのかという意見もあった」と述べたのだ。

 医療ガバナンス研究所理事長の上昌広さんが指摘する。

「問題は日本人と欧米人に同じ量を投与すること。日本人成人の平均体重は男性約70kg、女性約50kgで、アメリカ人は男性約90㎏、女性約75kgですが、ワクチンは体格差を考慮せず、アメリカ人と同じ30μgを接種します。それだと日本人には過剰投与となり、副反応が増える恐れがあります」

 従来のワクチン、たとえばインフルエンザワクチンなどは、体格や体重に関係なく同じ用量を打っても問題ないことから、「同様に新型コロナワクチンも問題ない」と主張する専門家が多く、この問題はほぼ黙殺されてきた。

 だが、ついに国の委員会でも公に問題視する発言が飛び出したのだ。上さんは、今回のワクチンは「これまでとはまったく違う」と強調する。

「ファイザー製とモデルナ製は、遺伝子の設計図を体内に打ち込む『mRNAワクチン』という人類史上初のワクチンです。従来のワクチンとは安全性が異なる可能性があり、投与する量についても慎重な判断が必要なのですが、日本ではまだ充分な検証はなされていません。

 アメリカの治験ではファイザー製ワクチンは10μg、20μg、30μgと量が増えるほど副反応が多くなった。投与量の多さが副反応を引き起こす可能性が示唆されているんです」

 多くの接種者に副反応がみられる以上、厚労省はその原因の可能性がある「ワクチンの過剰投与」を徹底的に調査すべきではないか。

 新潟大学名誉教授の岡田正彦さんも指摘する。

「体格差だけでなく、薬を代謝する酵素などの問題も含めて体質や遺伝子の違いが大きな理由かもしれません。もっといえば人種差がある。今回のワクチンはまだ充分に調べられていないので、もしかしたら日本人にはワクチン量が多い可能性があります」

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