一方で日本人に副反応が多い理由は、「量」が原因ではないと分析することもできる。
血液内科医の中村幸嗣さんは、「日本人には『免疫的ファクターX』があるのではないか」と指摘する。
「そもそも日本人は欧米人と比べて新型コロナの感染率が低いので、感染を抑えるなんらかの原因『ファクターX』があると指摘されています。『X』にあてはまる候補として、生活様式や自然免疫の強さ、BCG接種などさまざまな説がありました。
今回のワクチンの副反応の多さを考慮すると、やはり日本人はコロナに対する何らかの強い免疫=免疫的ファクターXがあると考えられます。つまり、コロナに未感染であっても、もともと体質的に免疫が強かった日本人にワクチンによる免疫の活性化が加わり、激しい免疫反応が生じて副反応が増強された可能性があると考えられます」
もしそうであるならば、欧米人基準の効き目の強いワクチンは、日本人にはミスマッチである可能性もある。
岡田さんは「さまざまな可能性を検討するためにもデータの収集が必要」と指摘する。
「今回のワクチンは明らかに過去のワクチンとは異なり、私を含めてさまざまな医師が『何か怖いことが起こっている』と実感しています。しかし厚労省が集めている副作用のデータは氷山の一角にすぎず、さらなる研究を進められません。厚労省は何よりもまず、副作用に関する正確なデータを集計すべきです」
厚労省は注意喚起をするだけでなく、オープンなかたちで副反応の調査と議論を進めることが求められる。
※女性セブン2021年8月12日号