(写真/AFLO)

2人の息子、マドックスとパックスはコオロギが大好物。アンジェリーナ・ジョリーは「食べ過ぎて心配」と話しているという(写真/AFLO)

FAOで推奨される昆虫食。欧米ではニュースタンダードに

 海外に目をみやると、ハリウッドセレブたちは一足先に、ニュースタンダードとしてコオロギ食を受け入れている。特にアンジェリーナ・ジョリー(46才)は、2017年の『BBCワールドニュース』生放送中に、クモやサソリ、コオロギなどを使った料理や食べ方までを自身の6人の子供たちに披露。「飢えに苦しんだとき、人間はこうして生き延びていた」と昆虫食への深い理解を示したほか、自宅でもコオロギを箱買いして、ポテトチップス感覚で食べていることを明かしている。

 また、ニコール・キッドマン(54才)も、2018年に公開された『VOGUE』動画内で、コオロギやバッタ、イモムシ、ミールワームなど昆虫フルコースを完食してみせた。

 実はこれら昆虫食は、国連食糧農業機関(FAO)が2003年から普及に取り組んできた、お墨付きの食材だ。

 もともと、東南アジアを中心に、昆虫を常食しているのは世界で約20億人いるといわれているが、2050年には、危機に瀕する人口が100億人に達すると推測される世界の食糧難に対応できる食材として、EU諸国やフィンランド、英米加でもブームが巻き起こっている。多大な影響力を持つハリウッド女優が昆虫を食べるのも、そうした啓蒙活動のひとつといえなくもなさそうだ。

 ただ、それでも疑問は残る。日本でも長野県や群馬県など、昆虫を食べる地域があるとはいえ、いまだ「昆虫=ゲテモノ食い」という認識がある。なのに、この2年でコオロギブームは突如訪れた。それはなぜか?

コロナ禍でますます日本人の意識がサステナブルへ

 コオロギ研究の第一人者で、『最強の食材 コオロギフードが地球を救う』を上梓した徳島大学長の野地澄晴さんは、こう話す。

「パンデミックを経験している最中ですが、歴史的には何度も人類はパンデミックを経験しています。まさに、忘れた頃にやってくるのです。その意味で、もう1つ対策が必要な課題が、食料不足です。地球の人口増加により、食料不足、特にたんぱく質が不足します。ワクチンは待てても、食料は毎日必要なので、不足すると直接命にかかわります。

 巣ごもり状態で、生きるということ、食べるということ、そして環境問題の重要さを感じた人が多かったのではないでしょうか。サステナブルな暮らしが少し意識され始めたといってもいいかもしれません。だから、さまざまな問題をクリアするスーパーフードのコオロギに注目が集まっているのだと思います」

 これを“ムシ”するなんてあり得ない?

取材・文/辻本幸路

※女性セブン2021年8月12日号

関連記事

トピックス

憔悴した様子の永野芽郁
《憔悴の近影》永野芽郁、頬がこけ、目元を腫らして…移動時には“厳戒態勢”「事務所車までダッシュ」【田中圭との不倫報道】
NEWSポストセブン
現行犯逮捕された戸田容疑者と、血痕が残っていた犯行直後の現場(左・時事通信社)
【東大前駅・無差別殺人未遂】「この辺りはみんなエリート。ご近所の親は大学教授、子供は旧帝大…」“教育虐待”訴える戸田佳孝容疑者(43)が育った“インテリ住宅街”
NEWSポストセブン
近況について語った渡邊渚さん(撮影/西條彰仁)
【エッセイ連載再開】元フジテレビアナ・渡邊渚さんが綴る近況「目に見えない恐怖と戦う日々」「夢と現実の区別がつかなくなる」
NEWSポストセブン
『続・続・最後から二番目の恋』が放送中
ドラマ『続・続・最後から二番目の恋』も大好評 いつまでのその言動に注目が集まる小泉今日子のカッコよさ
女性セブン
事務所独立と妊娠を発表した中川翔子。
【独占・中川翔子】妊娠・独立発表後初インタビュー 今の本音を直撃! そして“整形疑惑”も出た「最近やめた2つのこと」
NEWSポストセブン
名物企画ENT座談会を開催(左から中畑清氏、江本孟紀氏、達川光男氏/撮影=山崎力夫)
【江本孟紀氏×中畑清氏×達川光男氏】解説者3人が阿部巨人の課題を指摘「マー君は二軍で当然」「二軍の年俸が10億円」「マルティネスは明らかに練習不足」
週刊ポスト
田中圭
《田中圭が永野芽郁を招き入れた“別宅”》奥さんや子どもに迷惑かけられない…深酒後は元タレント妻に配慮して自宅回避の“家庭事情”
NEWSポストセブン
ニセコアンヌプリは世界的なスキー場のある山としても知られている(時事通信フォト)
《じわじわ広がる中国バブル崩壊》建設費用踏み倒し、訪日観光客大量キャンセルに「泣くしかない」人たち「日本の話なんかどうでもいいと言われて唖然とした」
NEWSポストセブン
ラッパーとして活動する時期も(YouTubeより。現在は削除済み)
《川崎ストーカー死体遺棄事件》警察の対応に高まる批判 Googleマップに「臨港クズ警察署」、署の前で抗議の声があがり、機動隊が待機する事態に
NEWSポストセブン
北海道札幌市にある建設会社「花井組」SNSでは社長が従業員に暴力を振るう動画が拡散されている(HPより、現在は削除済み)
《暴力動画拡散の花井組》 上半身裸で入れ墨を見せつけ、アウトロー漫画のLINEスタンプ…元従業員が明かした「ヤクザに強烈な憧れがある」 加害社長の素顔
NEWSポストセブン
趣里と父親である水谷豊
《趣里が結婚発表へ》父の水谷豊は“一切干渉しない”スタンス、愛情溢れる娘と設立した「新会社」の存在
NEWSポストセブン
米利休氏のTikTok「保証年収15万円」
東大卒でも〈年収15万円〉…廃業寸前ギリギリ米農家のリアルとは《寄せられた「月収ではなくて?」「もっとマシなウソをつけ」の声に反論》
NEWSポストセブン