海外のグラビアは、ある種、絵画のようで、セクシーさはあるけどいやらしさはさほど感じない。そして何より、女性が堂々としてします。一方で日本のグラビアはざっくり言うと「しっとりエロい」(笑い)。これだけでもニーズの違いがわかると思います。鍛え上げられた身体で汗だくになりながらセクシーに筋トレしている姿と、水着でキャッキャして白いアイスを舐める姿の違い、と言えばわかりやすいかもしれません。
日本のグラビアは見る人を「誘っている」グラビアだと思います。男性から見て「ワンチャンいけるかも」と少し隙があるものが人気のようですが、私が思う女性のセクシーさとは少し違うところにあるかなと思います。女性でも男性でも、自分の身体や顔について自信が漲っているのが大前提で、「誘う」よりも「惹きつけたい」というムードが大切。それが私にとってのセクシーさです。
森永ケイト
最終的には世界中で私の姿を見てもらいたい
昨今、日本でもマイノリティの問題が取り沙汰されることが多いですが、実際、私もミックスである事を理由に小学生の頃はいじめにも遭いました。子供の方が純粋な分だけ言葉がストレートで暴力的です。それもあって中学の時は自分がミックスだということを隠していました。「どこ(の国)出身?」なんて何億回も聞かれましたね。
ただ、それで毎回カリカリしていると生きづらいだけなので、気にしないことにしました。そんなときは流して接する、仕方ないですが割り切るしかなかったのです。決してこれが良い方法だとは思っていません。ただそうしないとキャパが限界で。少しだけでも「相手が不快に思うかも」という思慮があれば、トラブルは起きないと思うんですよ。
ちなみに海外では、痩せている人に良かれと思って褒め言葉のつもりで「すごく痩せていますね」というのもタブーです。「body shaming」といって人の見た目を批判したり、意見を言ったりすることはタブーなんです。
ただ、ポリコレ(Political Correctness:政治的正しさ)の波に表現が狭められる現状は、いち表現者としては残念に思っています。グラビアなど性的なものもその波を受けていますが、それでも自分の生き方や活動に自信を持つべきだと思います。今は男性も女性も表現に関して過剰に反応してしまっている部分があるのではないでしょうか。これも「相手が不快に思うかも」という思慮があれば問題にならない事だと思います。