そのうえで総裁選出馬を「決断した」と書いている。
「高市は菅政権が安倍政治を継承していないから我こそが真に継承すると主張し、いわば安倍さんの菅首相への不満を代弁する内容だ。こんな出馬宣言を安倍さんの許可なくやれるはずがない」(自民党ベテラン議員)と安倍仕掛け説が広がっている。
これに驚いたのが昨年の総裁選で菅首相に次ぐ2位につけた岸田文雄・前政調会長だ。
「岸田氏は8月2日に麻生さんの大臣室を訪ねている。高市出馬にお墨付を与えたのかどうかの確認と、自分の出馬を相談したようです」(前出・麻生派議員)
すると翌3日には、今度はその高市氏が安倍前首相の衆院議員会館の事務所を訪ねた。こちらも総裁選への支援を念押したとみられている。
負けられない岸田氏は、BS朝日の番組(8月8日)で「チャンスがあれば挑戦したい。日程が確定すれば具体的な関わり方を決めたい」と総裁選出馬への意欲を示した。
安倍氏と麻生氏の掌の上で、高市氏や岸田氏が踊り出し、菅首相に挑もうとしているのだ。2人の首相経験者の思惑通りの展開に違いない。
※週刊ポスト2021年8月27日・9月3日号