次男の妻・和田明日香(左)とは、2人揃って料理関係のイベントに参加したりレシピ本を出すなど、仕事でもいい“相棒”となっている
嫁にこうしてほしいと思うのは、自分のエゴなのだとレミさんは続ける。
「自分の価値観を押しつけた結果、陰口を叩かれながら嫌々受け入れられるよりは、何も言わない方がお互いのタメだと思うのよ」
生きて一緒にいるだけでありがたい
「この間、アーちゃんが会話の流れで、“私はお義母さんの老後の面倒を見ますから”と言ってくれたの……。びっくりして、“まだ私はそんな年じゃないし、全然お世話になりたくないのに”なんて言っちゃったけど、とてもありがたかった。
樹里ちゃんもね、私が和田(誠)さんに先立たれて、“つかむものがなくて寂しい”とこぼしたら、“レミさん、唱さんと手を握って! しっかり、ぎゅっと強く握るの。ほら、つかむものがあるでしょ?”と――そう言われて息子の手を握ってみると、もみじみたいな手の息子とよく手をつないで歩いていたことを思い出したわ。あの手がこんなに大きくなって、しかも、この手の半分に和田さんが入っているんだと思ったら、心のつかえがストンと取れたの。本当に励まされたわ」
レミさんにとってお嫁さんたちは、生きて存在してくれるだけでありがたいという。
「だって、食費も学費も衣服費もかけずに、タダで完成された娘さんがポッと来てくれたのよ。おまけにかわいくて、息子のお世話をしてくれて、孫まで産んでくれて……。私は大得よ。お嫁さんに文句なんかひとつもない」
みんなが元気に生きて、たまに会って一緒にわいわいご飯を食べられれば充分幸せなのだと、レミさんは笑って話してくれた。
取材・文/桜田容子
※女性セブン2021年8月19・26日号