50代前半の高血圧患者(男性)の減薬事例
そうした患者には減塩や減量など生活習慣改善をまず指導したうえで、血圧の記録を課すという。「血圧を記録することで薬の飲み忘れを防ぐことができ、それで数値が改善すれば、薬を減らすことができます」(石光医師)
年齢によって「“卒業”を考えてもいい」という医師もいる。新潟大学名誉教授の岡田正彦医師だ。
「高齢者施設では多い人になると20種以上の薬を飲んでいる人もいる。何十年も漫然と飲み続ける人もいますが、風呂上がりや排便後に血圧が急激に下がって転倒事故を起こす事例がとても多い。年齢を重ねて血圧が高くなるのは自然な現象で、薬で無理矢理下げるのはかえって有害と考えます」
※週刊ポスト2021年8月27日・9月3日号