羽生は2018年に27年ぶりに無冠となった(写真/共同通信社)
羽生は2017年頃から、タイトル戦の打ち上げでもきっぱりと酒を飲まなくなった。乾杯の時に口をつける程度だ。2010年前後は、名人戦の前日でも注がれるままに酒を飲んでいたことを思い出す。節制の必要を感じ、実行しているのだ。
記憶力の話では「トレーニングを続けること」と語り、体力面でも「対局を続けること」と羽生は言う。地道に続ける作業を重視していることがよくわかる。
文/大川慎太郎(将棋観戦記者)
1976年生まれ。出版社勤務を経てフリーに。2006年より将棋界で観戦記者として活動する。著書に『証言 羽生世代』(講談社現代新書)などがある。
※週刊ポスト2021年8月27日・9月3日号