芸能

千葉真一さん 離婚で辛い時期に心の支えとなった高倉健さんからの手紙

千葉真一さん(時事通信フォト)

長女・真瀬樹里、野際陽子さんと千葉真一さん。1994年に離婚した(時事通信フォト)

 アクション俳優として日米を股にかけて活躍した千葉真一さんが8月19日に亡くなった(享年82)。千葉さんは自ら俳優として活躍するだけでなく、世界で通用するアクション俳優やスタントマンの育成のため、1970年に「ジャパンアクションクラブ」(JAC)を設立。そこから真田広之(60才)や志穂美悦子(65才)といったアクションスターを輩出したが、私生活ではマスコミを騒がすことも少なくなかった。

 その最たるものが2017年に亡くなった女優・野際陽子さん(享年81)との離婚。JACや映画プロデュースにのめり込み、家にはほとんど帰らず、事業に失敗して数億円規模の借金を抱え、1994年に離婚した際には「三下り半を突きつけられた」と伝えられた。

 2人並んで離婚の記者会見を開き、円満に別れたはずだった。しかし当時は借金問題や家庭を疎かにしていたことが取り沙汰され、千葉さんは“自分勝手”などと世間からバッシングを浴びてしまう。そんな中で彼の心の支えとなったのが“永遠の師匠”と慕っていた高倉健さん(2014年死去・享年83)だった。

 千葉さんは一時期、東映の先輩である健さんの付き人をしていた。千葉さんがアメリカ進出を志すようになったのも、「ハリウッド映画はすごいぞ。やはり一度は勝負しないとダメだ」という健さんからの勧めがあったからだという。生前の千葉さんは健さんとの思い出をこう語っていた。

「寡黙で気難しい人だと思うかもしれませんが、全然そんなことはない。怒っているところも不機嫌なところも一度も見たことがありません。

 人を驚かすのが大好きな人で、サプライズで背広や時計などいろいろなプレゼントをもらいました。なかでも驚いたのはゴールドのブレスレット。我が家の家紋が彫られていたんです。『健さん、なんでうちの家紋がわかったのですか?』と聞いたら、『千葉、俺は日本一のスパイだぞ』って笑っていました。本当に粋でお洒落なかたでしたね」

 健さんからのいちばんの宝物は、野際さんとの離婚後、落ち込む千葉さんの元に届いた一通の「手紙」だった。そこには、健さんからこんなメッセージが綴られていた。

《誰にでも、神から与えられた人生というハードルがある。そのハードルをひとつひとつクリアしてこそ、最後に幸せをつかむことができる。飛び越すことを喜びに変えてしまえば、今の苦しみが苦にならない。しんどかった、でも面白かったね!と、後から話せる、そういう人生を送ろうよ》

 ふさぎ込んでいた千葉さんの心に変化が起きた。

「当時の僕はアメリカ進出を目指し、ひとり部屋にこもって英語を勉強する日々でしたが、離婚問題で批判を受け、心が折れそうになっていた。そんなときに健さんからお手紙をいただき、感激で涙が出ました。いただいたメッセージは何度も読み返したので、そらんじて言えるほど、僕の中で大切な人生訓として刻まれています」(千葉さん)

 千葉さんの人生に大きな影響を及ぼした野際さんと健さん。いま頃、天国で2人と再会して、あの屈託のない笑顔を見せているかもしれない。

※女性セブン2021年9月9日号

関連記事

トピックス

筒香が独占インタビューに応じ、日本復帰1年目を語った(撮影/藤岡雅樹)
「シーズン中は成績低迷で眠れず、食欲も減った」DeNA筒香嘉智が明かす“26年ぶり日本一”の舞台裏 「嫌われ者になることを恐れない強い組織になった」
NEWSポストセブン
テレビの“朝の顔”だった(左から小倉智昭さん、みのもんた)
みのもんた「朝のライバル」小倉智昭さんへの思いを語る 「共演NGなんて思ったことない」「一度でいいから一緒に飲みたかった」
週刊ポスト
陛下と共に、三笠宮さまと百合子さまの俳句集を読まれた雅子さま。「お孫さんのことをお詠みになったのかしら、かわいらしい句ですね」と話された(2024年12月、東京・千代田区。写真/宮内庁提供)
【61才の誕生日の決意】皇后雅子さま、また1つ歳を重ねられて「これからも国民の皆様の幸せを祈りながら…」 陛下と微笑む姿
女性セブン
筑波大学・生命環境学群の生物学類に推薦入試で合格したことがわかった悠仁さま(時事通信フォト)
《筑波大キャンパスに早くも異変》悠仁さま推薦合格、学生宿舎の「大規模なリニューアル計画」が進行中
NEWSポストセブン
『世界の果てまでイッテQ!』に「ヴィンテージ武井」として出演していた芸人の武井俊祐さん
《消えた『イッテQ』芸人が告白》「数年間は番組を見られなかった」手越復帰に涙した理由、引退覚悟のオーディションで掴んだ“準レギュラー”
NEWSポストセブン
10月1日、ススキノ事件の第4回公判が行われた
「激しいプレイを想像するかもしれませんが…」田村瑠奈被告(30)の母親が語る“父娘でのSMプレイ”の全貌【ススキノ首切断事件】
NEWSポストセブン
NBAレイカーズの試合観戦に訪れた大谷翔平と真美子さん(AFP=時事)
《真美子夫人との誕生日デートが話題》大谷翔平が夫婦まるごと高い好感度を維持できるワケ「腕時計は8万円SEIKO」「誕生日プレゼントは実用性重視」  
NEWSポストセブン
六代目山口組の司忍組長。今年刊行された「山口組新報」では82歳の誕生日を祝う記事が掲載されていた
《山口組の「事始め式」》定番のカラオケで歌う曲は…平成最大の“ラブソング”を熱唱、昭和歌謡ばかりじゃないヤクザの「気になるセットリスト」
NEWSポストセブン
激痩せが心配されている高橋真麻(ブログより)
《元フジアナ・高橋真麻》「骨と皮だけ…」相次ぐ“激やせ報道”に所属事務所社長が回答「スーパー元気です」
NEWSポストセブン
12月6日に急逝した中山美穂さん
《追悼》中山美穂さん、芸能界きっての酒豪だった 妹・中山忍と通っていた焼肉店店主は「健康に気を使われていて、野菜もまんべんなく召し上がっていた」
女性セブン
トンボをはじめとした生物分野への興味関心が強いそうだ(2023年9月、東京・港区。撮影/JMPA)
《倍率3倍を勝ち抜いた》悠仁さま「合格」の背景に“筑波チーム” 推薦書類を作成した校長も筑波大出身、筑附高に大学教員が続々
NEWSポストセブン
自宅で亡くなっているのが見つかった中山美穂さん
【入浴中の不慮の事故、沈黙守るワイルド恋人】中山美穂さん、最後の交際相手は「9歳年下」「大好きな音楽活動でわかりあえる」一緒に立つはずだったビルボード
NEWSポストセブン