スポーツ

昭和のプロ野球選手、喫煙者7割超「遠征バス車内は煙で前が見えない」

スポーツ選手もタバコ吸っていた時代があった(写真はイメージ)

スポーツ選手もタバコ吸っていた時代があった(写真はイメージ)

 いまでこそ特定の場所でしかタバコを吸うことができない世の中だが、昭和の時代にさかのぼれば、どこかしこにタバコの煙が漂っていた。スポーツ選手といえども喫煙者が多かったあの頃、プロ野球選手たちのタバコ事情はどうだったのか──。元プロ野球選手の門田博光氏が明かす。

 * * *
 ノムさん(野村克也氏)はヘビースモーカーで、いつもタバコを2箱持ち歩いていました。1日3箱くらいは吸っていたんじゃないかな。

 僕は吸わなかったけど、プロ野球選手はストレスがたまる職業だから、当時は「リラックスしたい」という理由でタバコを吸う選手が7割以上もいた。遠征先のバスの車内は煙で前が見えないくらいでしたよ。タバコを吸わない外国人選手が入団したためにバスが喫煙車と禁煙車に分かれました。

 飲み屋に行っても、タバコを吸わないとガキ扱いされた時代。僕もカッコつけて一度だけ葉巻を吸ったことがあるんですが、後輩に「アル・カポネやね」と言われて吸うのをやめたんです(苦笑)。

〈1969年11月、34歳の若さで南海ホークスの選手兼任監督となった野村は、入団1年目の門田博光をスタメンで起用。その期待に応え、門田は野村が解任される1977年までの8年間に5度、3割を打つ。1992年の引退までに通算2566安打、567本塁打を記録した〉

 ノムさんはいつでもタバコを吸っていて、ミーティング中もタバコを手放さなかった。

 ただ、どの球場でもベンチは神聖な場所だったから、誰もベンチ内ではタバコを吸いませんでした。イニング間にベンチ裏で吸っている選手もいましたが、ノムさんは監督兼正捕手だったから、タバコを吸いに行く時間はなかったでしょうね。

 いまは選手がベンチで水をがぶがぶ飲んでいる姿がテレビに映ったりしますが、僕たちの時代にはあり得ないことですよ。必ずベンチ裏に行って飲むようにしていました。

 タバコも同じで、ベンチ内やカメラレンズが向いているところでは吸わなかった。ベンチで裸になって着替えるのもNG。喫煙者は多かったけど、そうした規律のある時代でした。

※週刊ポスト2021年9月10日号

関連記事

トピックス

「高市答弁」に関する大新聞の報じ方に疑問の声が噴出(時事通信フォト)
《消された「認定なら武力行使も」の文字》朝日新聞が高市首相答弁報道を“しれっと修正”疑惑 日中問題の火種になっても訂正記事を出さない姿勢に疑問噴出
週刊ポスト
ラオスへの公式訪問を終えた愛子さま(2025年11月、ラオス。撮影/横田紋子)
《愛子さまがラオスを訪問》熱心なご準備の成果が発揮された、国家主席への“とっさの回答” 自然体で飾らぬ姿は現地の人々の感動を呼んだ 
女性セブン
地元コーヒーイベントで伊東市前市長・田久保真紀氏は何をしていたのか(時事通信フォト)
《シークレットゲストとして登場》伊東市前市長・田久保真紀氏、市長選出馬表明直後に地元コーヒーイベントで「田久保まきオリジナルブレンド」を“手売り”の思惑
週刊ポスト
26日午後、香港の高層集合住宅で火災が発生した(時事通信フォト)
《日本のタワマンは大丈夫か?》香港・高層マンション大規模火災で80人超が死亡、住民からあがっていた「タバコの不始末」懸念する声【日本での発生リスクを専門家が解説】
NEWSポストセブン
夜の街にも”台湾有事発言”の煽りが...?(時事通信フォト)
《“訪日控え”で夜の街も大ピンチ?》上野の高級チャイナパブに波及する高市発言の影響「ボトルは『山崎』、20万〜30万円の会計はざら」「お金持ち中国人は余裕があって安心」
NEWSポストセブン
大谷と真美子さんを支える「絶対的味方」の存在とは
《ドッグフードビジネスを展開していた》大谷翔平のファミリー財団に“協力するはずだった人物”…真美子さんとも仲良く観戦の過去、現在は“動向がわからない”
NEWSポストセブン
東京デフリンピックの水泳競技を観戦された天皇皇后両陛下と長女・愛子さま(2025年11月25日、撮影/JMPA)
《手話で応援も》天皇ご一家の観戦コーデ 雅子さまはワインレッド、愛子さまはペールピンク 定番カラーでも統一感がある理由
NEWSポストセブン
山上徹也被告(共同通信社)
「金の無心をする時にのみ連絡」「断ると腕にしがみついて…」山上徹也被告の妹が証言した“母へのリアルな感情”と“家庭への絶望”【安倍元首相銃撃事件・公判】
NEWSポストセブン
被害者の女性と”関係のもつれ”があったのか...
《赤坂ライブハウス殺人未遂》「長男としてのプレッシャーもあったのかも」陸上自衛官・大津陽一郎容疑者の “恵まれた生育環境”、不倫が信じられない「家族仲のよさ」
NEWSポストセブン
11月24日0時半ごろ、東京都足立区梅島の国道でひき逃げ事故が発生した(読者提供)
《足立暴走男の母親が涙の謝罪》「医師から運転を止められていた」母が語った“事件の背景\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\"とは
NEWSポストセブン
大谷翔平が次のWBC出場へ 真美子さんの帰国は実現するのか(左・時事通信フォト)
《大谷翔平選手交えたLINEグループでやりとりも》真美子さん、産後対面できていないラガーマン兄は九州に…日本帰国のタイミングは
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 習近平をつけ上がらせた「12人の媚中政治家」ほか
「週刊ポスト」本日発売! 習近平をつけ上がらせた「12人の媚中政治家」ほか
NEWSポストセブン