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生活習慣病予防にもなるストレッチ「ペア」でやれば高い効果期待も

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1日10分、夫婦や親子でペアストレッチを行って効果倍増

 加齢により年々硬くなる体。放置すると大きなケガやさまざまな病気を招く原因にもなる。そういう意味でも、健康寿命を延ばすのに、日々のストレッチはとても効果的だ。その根拠を早稲田大学スポーツ科学学術院教授・宮地元彦さんに聞いた。

「ストレッチを行うと心身がリラックスし、落ち着いた気分のときに現れる脳波であるα波が増加。自律神経の活動が副交感神経を優位にします。すると末梢血管周りの筋肉がほぐれ血管が柔らかくなって広がるため、血圧が下がり、動脈硬化や心筋梗塞、脳卒中といった生活習慣病の予防効果があるのです。

 さらにストレッチの習慣化により、糖尿病などの非感染性疾患の発症リスクに加え、死亡のリスクが下がるという研究結果も。もっとも実感しやすいのは筋肉や関節の痛みの緩和。血流の改善は疲労や炎症を引き起こす代謝物質などを除去し、筋肉の緊張やこわばり、痛みの原因をとりのぞきます。関節の可動域も広がるため、動きがよくなり転倒などの事故防止にもつながるのです」(宮地さん)

 ペアで行うと、その効果はより高まるという。

「ひとりで行う場合、伸ばす場所と、その逆側の筋肉(拮抗筋)が緊張して体を支え、姿勢を保持します。しかしパートナーの補助があれば余計な力は必要なし。体はターゲットの筋肉に集中でき、より効果が期待できるのです」(宮地さん)

 ストレッチを行う際は腹式呼吸を行い、伸ばしている関節や筋肉に意識を集中。パートナーの意見を聞きながら、ゆっくりと加減しつつ伸ばすよう心がけるのが重要だという。

 そこで頭から太ももまで、広い範囲をしっかり伸ばす“ペアストレッチ”を、柔軟王子として述べ2万人を指導している柔軟美トレーナーの村山巧さんに教えてもらった。

「背中を覆う広背筋と、頭蓋骨下から骨盤までつながる脊柱起立筋、さらに太もも外側の外側広筋の柔軟性を高めるストレッチ。パートナーが脇を押さえることにより、肩が上がりにくくなり、前胸部の大胸筋も刺激します」(村山さん)

●ストレッチの方法
【1】仰向けになり腰にフォームローラー(固く巻いたバスタオルでも可)をあてる。両膝を立て、両手をまっすぐ上げる。
【2】パートナーは脇の下を押さえる。
【3】お尻が浮かないよう意識しながら、立てた脚をゆっくりと右に倒し5秒キープ。左も同様に。往復5回。

撮影/玉井幹郎

※女性セブン2021年9月9日号

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