共用スペースに設けられた「会議室」「個室ブース」
比較的規模が大きなマンションでは、共用スペースにコワーキングスペースや個室ブースなどを設ける物件が増えている。数十戸規模の小さなマンションでは難しいが、メガマンションではシェアオフィスと見紛うような立派なワークスペースを設置している。
三井不動産レジデンシャルの「パークタワー勝どきミッド/サウス」(東京都中央区)がその典型例。総戸数2786戸のメガマンションだが、共用施設に約330平方メートルのコワーキングスペースが設けられ、会議室、個室ブースなどが設置される予定だ。
それもあって、2020年年末から2021年年初にかけての第1期1次・2次販売では、最高倍率27倍、平均倍率2.8倍の完売となった。
2000戸を超える規模になれば、これだけの共用施設を設置しても、1戸当たりのコスト負担はさほどのことにはならないので、今後も共用施設でのコワーキングスペースの設置などが増えていくのではないかと予想される。
採算面での厳しさが予想される規模のマンションであれば、コワーキングスペースを外部にも解放して利用者を増やす動きなどもあり得るだろう。
賃貸マンションでも増える「コワーキングスペース」
こうした動きは分譲マンションだけではない。賃貸マンションでもコワーキングスペースや、住戸内のワーキングスペースを確保する動きが増えている。
三菱地所の賃貸マンション「ザ パークハウスハビオ ソーホー」シリーズでは、都心部を中心に、コワーキングスペースを設置した物件の展開をスタートさせている。
単身者向けの賃貸マンションで、専有面積はさほど広くないため、居室内で仕事をすると、オンオフの切り替えが難しく、ストレスが溜まる要因になる。それに対して、同じ建物内にコワーキングスペースがあれば、会社までの往復、会社での感染リスクを回避できるうえ、自宅とは気分を変えて仕事に取り組めるというメリットもある。
入居者はこのコワーキングスペースを無料で利用できるが、都心立地というメリットを活かして、外部の人たちの利用を進めるため、管理費などの負担増はあまりないだろう。