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プロ初二軍落ちの阪神・佐藤輝明に門田氏「打てるようになるとは限らへん」

輝きを取り戻せるか(写真/共同通信社)

輝きを取り戻せるか(写真/共同通信社)

 前半戦の阪神を引っ張ったドラ1・佐藤輝明(22)が深刻な打撃不振に陥り、9月10日にプロ初の二軍落ちとなった。やはり目立つのは「三振の多さ」だ。

 打率.254、23本塁打、60打点と新人離れした数字を残す一方、三振は151個と球団日本人歴代ワースト記録を更新。

「高めの速球の空振りが目立つ。二軍落ちの前は35打席ノーヒットが続き、その間の三振は21個を数えます」(担当記者)

“どうすれば佐藤の三振が減るか”は虎党の間で話題だが、阪神を含む3球団で4番を打った広澤克実氏は「三振を恐れるのは古い考え方」と話す。

「転がせばエラーがあるかもしれないというのは、守備の下手な少年野球やグラウンドが整備されていない時代の話で、ゴロもフライも三振も凡退は凡退。佐藤は、ブライアント(元近鉄)のシーズン最多三振(204個、1993年)の更新だって恐れる必要はない。本塁打を30本打つために何をすべきかだけを考えればいい」

 過去にシーズン最多三振を記録しながらその年の本塁打王に輝いた大打者は少なくない。1993年のブライアントしかり、野村克也(1957年、1963年)、門田博光(1983年)、秋山幸二(1987年)デストラーデ(1991年)といった名前が並ぶ。

 本塁打と三振数の“二冠”を振り返り、「要するに三振の数なんかどうでもええんですわ」と語るのは元南海の門田氏だ。

「三振も凡打も一緒で、3割、40本打ったらええわけです。佐藤君のようにルーキーで20本打つ選手はなかなかいませんから、ブレーキの理由はちょっと理解できないけど、コーチの接し方にも問題があるんじゃないか。僕がコーチなら技術論は言わず、笑わせたり、肩の荷が下りるようなアドバイスをします。そこから不調の原因を探る」

 二軍落ちについては、「僕はそれで打てるようなるとは限らへんと思います」と続ける。

「一軍のベンチに置いて、試合を見させれば“オレも打席に立ちたい”“1本ぐらい打てる”という気持ちになる。最近の子たちは考え過ぎです。僕らは“王(貞治)さんでも5試合ノーヒットのこともあるんやから”と居直ったものです。本当は、どんどん試合に出してブライアントの記録を抜くくらいの三振王になっていいのだけど、チームが優勝争いをしているから難しいのでしょうね」

 開き直って一軍に戻ってこられるか。

※週刊ポスト2021年10月1日号

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