岸田文雄氏(時事通信フォト)

岸田文雄氏(時事通信フォト)

 河野氏は9月13日に2Aのもう1人の政敵である石破氏と会談して「当選したあかつきには挙党態勢をつくりたい」と協力を求めており、自民党内には“河野政権”ができれば石破氏を幹事長、小泉進次郎・環境相を官房長官などに抜擢するという見方が浮上している。

 政治ジャーナリスト・野上忠興氏はそうした若手中心の組閣案に菅首相の出番が隠されていると指摘する。

「若い河野首相-進次郎官房長官コンビでは総選挙の看板にはなっても、官僚組織を動かして改革路線を実行していくのは難しい。そこで菅氏は“影の官房長官”として官僚組織に睨みをきかせ、河野官邸を裏から支えるつもりではないか。そうすれば2Aの影響力を排除することができる」

 それどころか、「菅さんは総理としては失敗したが、官房長官としては実績がある。安倍前首相が総選挙に大敗した麻生さんを副総理にしたように、河野首相・菅官房長官の組み合わせもないとは言えない」(閣僚経験者)との声まである。

 では、河野氏が総裁選で負けた場合はどうなるか。その時は岸田内閣が誕生し、自民党は2A支配が続く。菅首相は完全に失脚し、菅改革路線も転換されるはずだ。

 菅首相と安倍・麻生ラインの潰すか、潰されるかの“怨念のシーソーゲーム”はこれから最後の決戦を迎える。

※週刊ポスト2021年10月1日号

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