芸能

『ドラゴン桜』『GTO』に見る 元ヤンキー先生たちの胸を打つ熱き人生論

学園ドラマ

学園ドラマのセリフはなぜ響くのか(イラスト・にゃむ子)

 4月に放送されたドラマ『ドラゴン桜』(TBS系)をはじめ、人気コミックの実写映画『東京リベンジャーズ』など、令和のいまもヤンキーが活躍する作品が次々と制作されて話題を呼んでいる。

 世代を超えて愛される学園ドラマ。ヤンキーの生徒と、熱血教師の心の交流を描く作品も多い──。「実際のヤンキーたちにも、学園ドラマの先生のセリフは響くんです」。そう語るのは、元小学校教諭で琉球大学教育学部教授の丹野清彦さんだ。

「私がある小学校の先生をしていたときに、まるで1984年のドラマ『泣き虫先生の7年戦争 スクール☆ウォーズ』(以下・『スクール・ウォーズ』TBS系)のように暴れる子がいたんです。彼らが暴れるたびに『おい、やめろ』『話を聞け』などと言っても、聞いてくれないどころか、むしろ反抗されていました。

 あるとき暴力をよくふるう高学年の男子児童に反抗されて腹が立ち、思わず手が出そうになったら、いきなりその子に胸を突き飛ばされたんです。そのとき、ふと前日に見た『3年B組金八先生』(TBS系)のある場面が頭に浮かびました」(丹野さん・以下同)

 それは金八先生(武田鉄矢・72才)が生徒に殴られた場面のこと。そこで、金八先生は「もっと自分を大事にしろよ、そうやって傷ついているのは、お前自身だろ」と言ったという。

「私は咄嗟に、そのセリフをそのまま言ってみたら、彼が泣き崩れてしまったんです。このときからドラマのセリフは実際の教育現場でも役立つと思って、使わせてもらっていました。学園ドラマはフィクションですが、だからこそ、人の核心をつく名言がたくさんある。それが心に響くのでしょう」

 自粛生活でイライラしたり、塞ぎがちな心にも染みる、学園ドラマの名ゼリフを紹介する。

人生とは何かを教える言葉

「親の人生は親のもの、お前の人生はお前のもの。親子であっても人生の選択肢はそれぞれにある。そう示しているのが『ドラゴン桜』(TBS系)の桜木建二先生(阿部寛・57才)と、1998年版『GTO』(フジテレビ系)の鬼塚英吉先生(反町隆史・47才)です」(丹野さん・以下同)

 桜木と鬼塚、共通項が元暴走族という設定だ。

「鬼塚先生は元暴走族のリーダー、桜木先生は教師ではありませんが、元暴走族の弁護士という異色の経歴。彼らは一度、社会のレールから外れた人生を送っているからこそ、権力には従わず、『お前の人生はお前で決めろ』とバシッと言うタイプです。

 桜木先生は2021年版の『ドラゴン桜』で、東大に行くと決めた落ちこぼれの生徒たちに、『人生はどうなるかじゃなく、どうするかだ! 大きく強く一歩を踏み出せ』と背中を押します。

『GTO』の鬼塚先生は、“高校なんて東大に入るまでのただのリハーサル”という秀才の生徒に、雨に打たれながら、『人生にリハーサルなんかねぇんだよ! 毎日が本番なんだよ!』と力強く語りかけます。

 中高生まではまだ親の決めたこと、親の考えに従ってしまいがちですが、元暴走族の先生から、『お前の人生はお前のものだから自分で決めろ』と言われたら、ドキッとして、子供たちも人生とは何かを考えるのです」

「自分の将来は周りが
決めるんじゃねぇ、
世の中の流れに乗るもんでもねぇ。
自分の人生は自分で作る。
人生はどうなるかじゃなく、
どうするかだ!」
(『ドラゴン桜』第2シリーズ/桜木建二)

関連記事

トピックス

第一子を出産した真美子さんと大谷
《デコピンと「ゆったり服」でお出かけ》真美子さん、大谷翔平が明かした「病院通い」に心配の声も…出産直前に見られていた「ポルシェで元気そうな外出」
NEWSポストセブン
2000年代からテレビや雑誌の辛口ファッションチェックで広く知られるようになったドン小西さん
《今夏の再婚を告白》デザイナー・ドン小西さんが選んだお相手は元妻「今年70になります」「やっぱり中身だなあ」
NEWSポストセブン
2021年に裁判資料として公開されたアンドルー王子、ヴァージニア・ジュフリー氏の写真(時事通信フォト)
「王子と寝ろ」突然のバス事故で“余命4日”ののち命を絶った女性…告発していた“エプスタイン事件”【11歳を含む未成年者250名以上が被害に】
NEWSポストセブン
人気シンガーソングライターの優里(優里の公式HPより)
《音にクレームが》歌手・優里に“ご近所トラブル”「リフォーム後に騒音が…」本人が直撃に語った真相「音を気にかけてはいるんですけど」
NEWSポストセブン
世界中を旅するロリィタモデルの夕霧わかなさん。身長は133センチ
「毎朝起きると服が血まみれに…」身長133センチのロリィタモデル・夕霧わかな(25)が明かした“アトピーの苦悩”、「両親は可哀想と写真を残していない」オシャレを諦めた過去
NEWSポストセブン
キャンパスライフをスタートされた悠仁さま
《5000字超えの意見書が…》悠仁さまが通う筑波大で警備強化、出入り口封鎖も 一般学生からは「厳しすぎて不便」との声
週刊ポスト
事実上の戦力外となった前田健太(時事通信フォト)
《あなたとの旅はエキサイティングだった》戦力外の前田健太投手、元女性アナの年上妻と別居生活 すでに帰国の「惜別SNS英文」の意味深
NEWSポストセブン
エライザちゃんと両親。Facebookには「どうか、みんな、ベイビーを強く抱きしめ、側から離れないでくれ。この悲しみは耐えられない」と綴っている(SNSより)
「この悲しみは耐えられない」生後7か月の赤ちゃんを愛犬・ピットブルが咬殺 議論を呼ぶ“スイッチが入ると相手が死ぬまで離さない”危険性【米国で悲劇、国内の規制は?】
NEWSポストセブン
1992年にデビューし、アイドルグループ「みるく」のメンバーとして活躍したそめやゆきこさん
《熱湯風呂に9回入湯》元アイドル・そめやゆきこ「初海外の現地でセクシー写真集を撮ると言われて…」両親に勘当され抱え続けた“トラウマ”の過去
NEWSポストセブン
左:激太り後の水原被告、右:
【激太りの近況】水原一平氏が収監延期で滞在続ける「家賃2400ドル新居」での“優雅な生活”「テスラに乗り、2匹の愛犬とともに」
NEWSポストセブン
笑顔に隠されたムキムキ女将の知られざる過去とは…
《老舗かまぼこ屋のムキムキ女将》「銭湯ではタオルで身体を隠しちゃう」一心不乱に突き進む“筋肉道”の苦悩と葛藤、1度だけ号泣した過酷減量
NEWSポストセブン
折田楓氏(本人のinstagramより)
「身内にゆるいねアンタら、大変なことになるよ!」 斎藤元彦兵庫県知事と「merchu」折田楓社長の“関係”が県議会委員会で物議《県知事らによる“企業表彰”を受賞》
NEWSポストセブン