国内

総選挙に投入される税金「600億円」の気になる使い道 新聞広告に17億円も

今年11月の投開票が有力視されている次期総選挙(時事通信フォト)

今年11月の投開票が有力視されている次期総選挙(時事通信フォト)

 岸田新政権がスタートした。国民・有権者にとっては、今回の党役員人事や閣僚人事よりも、国の行く末を左右する総選挙のほうがはるかに重大だ。10月31日に投開票が行われるが、じつは1回の総選挙に約600億円もの税金が投入されているのを知っているだろうか。気になるその使い道について、ジャーナリストの山田稔氏がレポートする。

 * * *
 総務省が作成している「平成30年度行政事業レビューシート」に事業番号0027という書類がある。2017年(平成29年)に実施された衆議院議員選挙(総選挙)の経費の検証結果をまとめたものである。

 それによると、予算額は631億8400万円で、実際に使われた執行額は596億7900万円となっている。1回の総選挙に約600億円の税金が投入されたのである。有権者一人当たり600円近くになる計算だ。

 過去の執行額を調べてみると、第45回総選挙(2009年)598億4400万円、第46回総選挙(2012年)587億5300万円、第47回総選挙(2014年)561億4300万円と、毎回600億円近い経費がかかっている。

 ちなみに今回予定されている第49回総選挙の予算額は678億円と、これまでよりかなり上積みされている。

「公職選挙法」で定められた税金投入の中身

 では、600億円の税金はどんなことに使われたのか。レビューシートにはその流れの概要が記されている。総務省596億7900万円からの流れは次の通りだ。選挙公営費とは、おカネがかからない選挙の実施を目的に、公職選挙法で定められた税金投入のことである。

(1)衆院選及び国民審査の管理執行
【委託】都道府県/555億7300万円→【委託】市区町村/436億5800万円
(2)政見・経歴放送実施所要経費
【選挙公営費】各放送事業者等/7700万円
(3)選挙に関する新聞広告費
【選挙公営費】各新聞社/17億0800万円
(4)候補者用無料乗車券の発行
【選挙公営費】各交通事業者等/6100万円
(5)候補者用無料葉書の発行
【選挙公営費】日本郵便株式会社/17億4100万円
(6)啓発企画の実施、開票速報業務、新聞広告掲載等
【一般競争入札・随意契約】民間会社/4億9600万円
(7)委員等旅費、委員手当、諸謝金等
【委員手当等】委員等/800万円

 選挙実施のために都道府県と、そこから市区町村に流れているおカネが大半であることが分かる。

関連記事

トピックス

フリー転身を発表した遠野なぎこ(本人instagramより)
「救急車と消防車、警官が来ていた…」遠野なぎこ、SNSが更新ストップでファンが心配「ポストが郵便物でパンパンに」自宅マンションで起きていた“異変”
NEWSポストセブン
盟友である鈴木容疑者(左・時事通信)への想いを語ったマツコ
《オンカジ賭博で逮捕のフジ・鈴木容疑者》「善貴は本当の大バカ者よ」マツコ・デラックスが語った“盟友への想い”「借金返済できたと思ってた…」
NEWSポストセブン
モンゴルを訪問される予定の雅子さま(撮影/JMPA)
雅子さま、「灼熱のモンゴル8日間」断行のご覚悟 主治医とともに18年ぶりの雪辱、現地では角界のヒーローたちがお出迎えか 
女性セブン
米田
《チューハイ2本を万引きで逮捕された球界“レジェンド”が独占告白》「スリルがあったね」「棚に返せなかった…」米田哲也氏が明かした当日の心境
週刊ポスト
詐称疑惑の渦中にある静岡県伊東市の田久保眞紀市長(左/Xより)
「『逃げも隠れもしない』と話しています」地元・伊東市で動揺広がる“学歴詐称疑惑” 田久保真紀市長は支援者に“謝罪行脚”か《問い合わせ200件超で市役所パンク》
NEWSポストセブン
佐々木希と渡部建
《六本木ヒルズ・多目的トイレ5年後の現在》佐々木希が覚悟の不倫振り返り…“復活”目前の渡部建が世間を震撼させた“現場”の動線
NEWSポストセブン
東川千愛礼(ちあら・19)さんの知人らからあがる悲しみの声。安藤陸人容疑者(20)の動機はまだわからないままだ
「『20歳になったらまた会おうね』って約束したのに…」“活発で愛される女性”だった東川千愛礼さんの“変わらぬ人物像”と安藤陸人容疑者の「異変」《豊田市19歳女性殺害》
NEWSポストセブン
児童盗撮で逮捕された森山勇二容疑者(左)と小瀬村史也容疑者(右)
《児童盗撮で逮捕された教師グループ》虚飾の仮面に隠された素顔「両親は教師の真面目な一家」「主犯格は大地主の名家に婿養子」
女性セブン
組織が割れかねない“内紛”の火種(八角理事長)
《白鵬が去って「一強体制」と思いきや…》八角理事長にまさかの落選危機 定年延長案に相撲協会内で反発広がり、理事長選で“クーデター”も
週刊ポスト
たつき諒著『私が見た未来 完全版』と角氏
《7月5日大災害説に気象庁もデマ認定》太陽フレア最大化、ポピ族の隕石予言まで…オカルト研究家が強調する“その日”の冷静な過ごし方「ぜひ、予言が外れる選択肢を残してほしい」
NEWSポストセブン
大阪・関西万博で、あられもない姿をする女性インフルエンサーが現れた(Xより)
《万博会場で赤い下着で迷惑行為か》「セクシーポーズのカンガルー、発見っ」女性インフルエンサーの行為が世界中に発信 協会は「投稿を認識していない」
NEWSポストセブン
詐称疑惑の渦中にある静岡県伊東市の田久保眞紀市長(HP/Xより)
《東洋大学に“そんなことある?”を問い合わせた結果》学歴詐称疑惑の田久保眞紀・伊東市長「除籍であることが判明」会見にツッコミ続出〈除籍されたのかわからないの?〉
NEWSポストセブン