(写真/Getty Images)

ブームを呼んだバターコーヒーの減量効果も疑問視されている(写真/Getty Images)

 米シリコンバレーの起業家の間で流行し、日本でもブームになったバターコーヒーにも専門家たちは懐疑的だ。グラスフェッドバターをコーヒーに入れ、朝食代わりに飲むことでダイエット効果があると紹介されたが、カリフォルニア大学ロサンゼルス校医学部准教授で医師の津川友介さんは一刀両断する。

「飲んで調子がよくなったというのはあくまでも個人的な感想。残念ながらバターには動脈硬化や高コレステロールの原因となる飽和脂肪酸が多く含まれ、人体に害を及ぼすことが数多くの研究から判明しています。実際にイギリスの医学雑誌ではこのバターコーヒーを検証し、『科学的ではない』という結論を出していました」

 津川さんによればテニスのノバク・ジョコビッチ選手をはじめとするスポーツ選手や芸能人たちが実践する小麦や大麦に含まれるたんぱく質の「グルテン」を摂取しない食生活、グルテンフリーも健康効果はほぼ認められないという。

「ジョコビッチ選手はセリアック病という、グルテンを摂ると腸管に炎症を起こす珍しい病気を持っていたから、グルテンフリーによって不調を抜け出せた。翻っていえばこの病気ではない人がグルテンフリーで健康になれるというエビデンスはありません。加えて、市販のグルテンフリー食品には砂糖が多く含まれているものもあり、かえって栄養バランスを崩しかねません」(津川さん)

 情報があふれるこの時代、「気休めの健康法」に振り回されないためには見極める力が必要だ。日本眼科医会常任理事の加藤圭一さんはいう。

「正しい情報かどうかを判断するためには、その出所を確認してほしい。例えば、目に関するきちんとした情報は日本眼科医会のホームページを見てください。医会が発表する情報は偏りがなく信頼できます」(加藤さん)

 間違った健康法で犠牲になるのは、自分の体にほかならない。冷静に判断しよう。

※女性セブン2021年10月21日号

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