岸田文雄・新総理(写真/共同通信社)
岸田政権の大臣の顔触れを見ると、甘利グループから松野官房長官(細田派)をはじめ、山際大志郎・経済再生相(麻生派)、金子恭之・総務相(岸田派)、金子原二郎・農水相(岸田派)の4人が入閣し、党役員には「閣僚級ポスト」とされる幹事長代行の梶山弘志氏(無派閥)、幹事長代理の田中和徳氏(麻生派)、国対委員長の高木毅氏(細田派)という中枢ポストを同グループが占めている。
「甘利氏は幹事長として党の金庫を握っただけでなく、側近の松野官房長官を通じて官邸の金庫(官房機密費)と官僚の人事権まで手中に収めた。まるで“幹事長兼影の総理”で、本人は2Aから政府と党の実権を奪ったつもりだろう」(同前)
“裏切られた”側の安倍氏は、この人事に「正直、不愉快だ」と漏らし、棚上げされた麻生氏も面白いはずがない。
※週刊ポスト2021年10月29日号