ビジネス

新築マンション「期分け販売」の実態 即日完売の「パンダ部屋」をつくるワケ

新築マンションの派手な広告チラシ

「期分け販売」が行われる新築マンションの派手な広告

 新築マンションが売り出される際、「1期」や「2次」といった期分けで部屋が販売されることがよくある。これは販売会社が一度に販売する戸数を絞り、完売しやすくするための戦略だが、その裏では消費者心理につけこむ“あざとい駆け引き”が行われている。住宅ジャーナリストの榊淳司氏が、マンション期分け販売の実態を明かす。

 * * *
 日本人というのは、とりわけ同調圧力に弱い習性がある。「他の人がそうなので」というのが、何かを決めるときの強力な理由になる。裏を返せば「赤信号、みんなで渡れば怖くない」ということでもある。

 新築マンションの販売手法には、こういった日本人の精神的な脆弱性に付け込む小賢しいテクニックが様々に盛り込まれている。

販売情報を収集する「マンションオタク」

 一例をあげよう。何とか無事に閉幕した東京五輪の選手村の建物の多くは、内装をすべて入れ替えて分譲マンション「晴海フラッグ」となる。販売総戸数は4145戸というから、相当に大規模である。

 実は五輪開幕前の2019年の盛夏に「第1期」の販売が行われた。コロナ騒動が起こる前である。販売戸数は600戸だったが、この「第1期」の登録抽選での最高倍率は71倍だったと報道された。

 今の東京には新築マンションの販売情報を逐一収集し、SNSやブログ等にあげるような人がおそらく数百人規模で存在する。彼らは情報をオタク的に収集しているので、その点ではプロ顔負けである。もちろん、選手村跡地マンションのような注目物件が販売されると、目を皿のようにして「お買い得住戸」を探すのである。つまり、条件の割には価格が安い住戸である。

 販売側も意図的にそういう住戸を設定する。そこに人気が集まって高倍率の抽選となれば、メディアで報道されるからである。

関連記事

トピックス

騒然とする改札付近と逮捕された戸田佳孝容疑者(時事通信)
《凄惨な現場写真》「電車ドア前から階段まで血溜まりが…」「ホームには中華包丁」東大前切り付け事件の“緊迫の現場”を目撃者が証言
NEWSポストセブン
2013年の教皇選挙のために礼拝堂に集まった枢機卿(Getty Images)
「下馬評の高い枢機卿ほど選ばれない」教皇選挙“コンクラーベ”過去には人気者の足をすくうスキャンダルが続々、進歩派・リベラル派と保守派の対立図式も
週刊ポスト
不倫疑惑が報じられた田中圭と永野芽郁
《離婚するかも…と田中圭は憔悴した様子》永野芽郁との不倫疑惑に元タレント妻は“もう限界”で堪忍袋の緒が切れた
NEWSポストセブン
成田市のアパートからアマンダさんの痛いが発見された(本人インスタグラムより)
《“日本愛”投稿した翌日に…》ブラジル人女性(30)が成田空港近くのアパートで遺体で発見、近隣住民が目撃していた“度重なる警察沙汰”「よくパトカーが来ていた」
NEWSポストセブン
多忙の中、子育てに向き合っている城島
《幸せ姿》TOKIO城島茂(54)が街中で見せたリーダーでも社長でもない“パパとしての顔”と、自宅で「嫁」「姑」と立ち向かう“困難”
NEWSポストセブン
不倫疑惑が報じられた田中圭と永野芽郁
《スクショがない…》田中圭と永野芽郁、不倫の“決定的証拠”となるはずのLINE画像が公開されない理由
NEWSポストセブン
小室圭さんの“イクメン化”を後押しする職場環境とは…?
《眞子さんのゆったりすぎるコートにマタニティ説浮上》小室圭さんの“イクメン”化待ったなし 勤務先の育休制度は「アメリカでは破格の待遇」
NEWSポストセブン
食物繊維を生かし、健全な腸内環境を保つためには、“とある菌”の存在が必要不可欠であることが明らかになった──
アボカド、ゴボウ、キウイと「◯◯」 “腸活博士”に話を聞いた記者がどっさり買い込んだ理由は…?《食物繊維摂取基準が上がった深いワケ》
NEWSポストセブン
千葉県成田市のアパートの1室から遺体で見つかったブラジル国籍のボルジェス・シウヴァ・アマンダさん、遺体が発見されたアパート(右・instagram)
〈正直な心を大切にする日本人は素晴らしい〉“日本愛”をSNS投稿したブラジル人女性研究者が遺体で発見、遺族が吐露した深い悲しみ「勉強熱心で賢く、素晴らしい女の子」【千葉県・成田市】
NEWSポストセブン
女性アイドルグループ・道玄坂69
女性アイドルグループ「道玄坂69」がメンバーの性被害を告発 “薬物のようなものを使用”加害者とされる有名ナンパ師が反論
NEWSポストセブン
遺体には電気ショックによる骨折、擦り傷などもみられた(Instagramより現在は削除済み)
《ロシア勾留中に死亡》「脳や眼球が摘出されていた」「電気ショックの火傷も…」行方不明のウクライナ女性記者(27)、返還された遺体に“激しい拷問の痕”
NEWSポストセブン
当時のスイカ頭とテンテン(c)「幽幻道士&来来!キョンシーズ コンプリートBDーBOX」発売:アット エンタテインメント
《“テンテン”のイメージが強すぎて…》キョンシー映画『幽幻道士』で一世風靡した天才子役の苦悩、女優復帰に立ちはだかった“かつての自分”と決別した理由「テンテン改名に未練はありません」
NEWSポストセブン