マザコンの夫が「生理的にムリ」で離婚に発展するケースは多い(写真はイメージ)
「怖い妻」を夫は本能的に受け入れられない
動物界の掟がすんなりと当てはまらないのが人間というもの。
人間の男女間における「生理的嫌悪」は動物ほど単純にはいかないのが現実だ。男性の方が女性を「生理的にムリ」と訴えることもある。岡野さんが言う。
「結婚して数年経った夫婦で、『妻の顔が生理的にムリだから離婚したい』と相談にやってきた夫がいました。結婚前には気がつかず、結婚後にさまざまな女性と出会い、自分の好みの女性たちを見ていくうちに妻の評価が相対的に下がって生理的に受けつけなくなったそうです」
女性が男性を「におい」で判断するのに対し、男性は「社会認識」を重要視するケースが目につく。
好例となるのがスウェーデンの環境活動家、グレタ・トゥンベリさん(18才)だ。2019年の国連で、地球温暖化について当時16才だったグレタさんが世界中の指導者たちを相手に強い言葉と鬼の形相で非難スピーチをする姿は大きな注目を集めた。しかし、保守派の“おじさん”たちから「グレタさんは生理的にムリ」の大合唱が起こる結果となった。
その理由についてコミュニケーション・ストラテジストの岡本純子さんが指摘する。
「第一の理由は彼女が“少女”だったことでしょう。社会的に、子供が大人に意見するというのは嫌悪感をもたらしますし、『女性は激しく怒るものではない』という社会的な拒否感も上乗せされる。
また、怒りとは、すなわち拒絶でもあるため、男性は怒りの表情を浮かべる女性に対して『生殖相手として拒否されている』という認識を持つ。その結果、怒りをあらわにする女性を本能的に忌避しようとするのです」
逆に言えば、いつもニコニコしている女性ほど、男性から好感を持たれやすいということだ。
「ですが、つねにそうしていると『何でも受け入れる弱い存在』と男性から認識されてしまう。高市早苗さんや小池百合子さんのように、笑顔を見せ、社会通念上の女性として振る舞い余計な軋轢を避けつつ、かつ自分の主張もする抜け目なさも必要です」(岡本さん)
夫婦関係が悪くなったときは、夫を責める前に、自分がどんな顔で夫と接しているか鏡を覗いてみよう。