日本では時短解除で日常が戻りつつある(東京・渋谷=共同通信社)
肝心の日本の今年の感染状況をみると、1月、5月、8月に感染者が山場を迎えた。どうやら3~4か月の周期で波が来ているようだ。ということは、第6波がやってくるのは11~12月になるのだろうか──。一石さんはこう言う。
「周期性を考えると、寒さが厳しくなる12月から1月にかけて注意が必要です。ワクチン接種が進んだとはいえ、3割が未接種である『7割の壁』が存在し、国内でも感染が再拡大する恐れがあります。特に年末年始は忘年会や新年会が多いシーズンで人流が激しくなるので、変異株対策が急務です」
室井さんは「年明け」に着目する。
「アルファ株は昨年の秋口にイギリスで流行し、日本で話題になったのは年明けでした。今後、ニューデルタプラスが日本で蔓延していくのも、アルファ株同様に来年の年明けになる可能性があります」
血液内科医の中村幸嗣さんは「あと3か月は大丈夫ではないか」と指摘する。
「日本はイギリスから3か月以上遅れてワクチン接種を始めました。さらに第5波で大量の感染者が出たので、いまは国民の7~8割が免疫を持っている状態と言えます。なので、よほど強い変異株が登場しない限り、あと3か月は抗体を維持することができると考えられ、感染拡大の可能性は少ないはずです」
そのうえで中村さんは「動くならいま」と呼びかける。
「いまが最も安全な時期で、『遊びにいくならいま』と言っていい。むろん完全に無防備でいいのではなく、マスクや手洗いなどの感染対策をしっかりすることが欠かせませんが、年内の忘年会や食事会、旅行などは問題ないと考えられます。ゼロリスクではないけれど、きちんと配慮すれば自由に行動しても大丈夫でしょう」
規制が解除されたいまこそ、コロナを過剰に恐れるのではなく、敵の正体を見極めて賢く行動することが求められる。
※女性セブン2021年11月11日・18日号