9月中旬からイギリスではワクチンの3回目接種が始まった(写真/アフロ)

9月中旬からイギリスではワクチンの3回目接種が始まった(写真/アフロ)

 二木さんが言う。

「そもそもウイルスは2週間に1回は変異を起こし、ウイルスが生き残るのにより効率のよい状態に変わっていきます。それはデルタ株も同じ。詳しいことはまだわかっていませんが、ニューデルタプラスは従来のデルタ株よりも感染力が10%ほど強いといわれています。すでにイギリスの症例の7~8%を占めるとされます」

 この先、日本にもニューデルタプラスが流入する恐れがある。国際医療福祉大学病院内科学予防医学センター教授の一石英一郎さんの指摘。

「海外との往来が増え始めた現在、これまでの国内の過去の事例からも、ニューデルタプラスが日本に流入する可能性は充分にあります。ワクチン接種が進んだ日本も決して油断はできません」

 第5波で日本を窮地に陥れたデルタ株より強力なウイルスが国内に流入したら、悪夢の再来は免れない。

遠出するならこの3か月

 注目したいのは、感染拡大の背後に特定のサイクルが見え隠れすることだ。「強力な変異株」が出現するごとに感染者が急増しているように見える。たとえばイギリスは、昨年12月にアルファ株の感染拡大で1日8万人の感染者を出したのち、ワクチン接種が進んで徐々に感染者が減少した。だがその後、感染が再拡大し、今年7月に感染者が1日5万人を超えた。

「デルタ株のせいで感染者が増えているのは確かだ」

 当時、ジョンソン首相はそう変異株の脅威を認めた。それから3か月が経過した現在、ニューデルタプラスの登場とともにイギリスは感染者が激増。ロシアもイギリスと同じサイクルを辿り、昨年12月にピークを迎えた後、いったん落ち着き、7月に再び山場を迎えた。そしてこの10月に感染爆発している。ウイルスの変異と感染拡大の関係について、医療経済ジャーナリストの室井一辰さんが指摘する。

「ウイルスは、遺伝子の突然変異でウイルスたんぱく質が変化して病原性や感染力が変わります。ワクチンなどで人類に感染が広がらない『壁』ができると、ウイルスは変異して病原性や感染力などを強めて、その壁を打ち破ろうとします。つまり、ウイルスの変異はコロナの流行につながるのです」

 一石さんが続ける。

「ウイルスは弱肉強食で、弱いものが淘汰されて強いものが蔓延します。なので、いったん感染拡大が止まっても、より強力なウイルスが出現して感染が広がる可能性がある。この先、日本に流入するかもしれないニューデルタプラスも同様です。イギリスと同じ変異株ではなく感染を繰り返し、さらに強力に鍛えられた『スーパーニューデルタプラス』となって日本にやってくるかもしれません」

関連記事

トピックス

山本由伸選手とモデルのNiki(共同通信/Instagramより)
《噂のパートナーNiki》この1年で変化していた山本由伸との“関係性”「今年は球場で彼女の姿を見なかった」プライバシー警戒を強めるきっかけになった出来事
NEWSポストセブン
送検のため奈良西署を出る山上徹也容疑者(写真/時事通信フォト)
「とにかく献金しなければと…」「ここに安倍首相が来ているかも」山上徹也被告の母親の証言に見られた“統一教会の色濃い影響”、本人は「時折、眉間にシワを寄せて…」【安倍元首相銃撃事件・公判】
NEWSポストセブン
マレーシアのマルチタレント「Namewee(ネームウィー)」(時事通信フォト)
人気ラッパー・ネームウィーが“ナースの女神”殺人事件関与疑惑で当局が拘束、過去には日本人セクシー女優との過激MVも制作《エクスタシー所持で逮捕も》
NEWSポストセブン
【白鵬氏が九州場所に姿を見せるのか】元弟子の草野が「義ノ富士」に改名し、「鵬」よりも「富士」を選んだことに危機感を抱いた可能性 「協会幹部は朝青龍の前例もあるだけにピリピリムード」と関係者
【白鵬氏が九州場所に姿を見せるのか】元弟子の草野が「義ノ富士」に改名し、「鵬」よりも「富士」を選んだことに危機感を抱いた可能性 「協会幹部は朝青龍の前例もあるだけにピリピリムード」と関係者
NEWSポストセブン
デコピンを抱えて試合を観戦する真美子さん(時事通信フォト)
《真美子さんが“晴れ舞台”に選んだハイブラワンピ》大谷翔平、MVP受賞を見届けた“TPOわきまえファッション”【デコピンコーデが話題】
NEWSポストセブン
指定暴力団六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
《六代目山口組・司忍組長2月引退》“竹内七代目”誕生の分岐点は「司組長の誕生日」か 抗争終結宣言後も飛び交う「情報戦」 
NEWSポストセブン
部下と“ホテル密会”が報じられた前橋市の小川晶市長(時事通信フォト/目撃者提供)
《前橋・小川市長が出直し選挙での「出馬」を明言》「ベッドは使ってはいないですけど…」「これは許していただきたい」市長が市民対話会で釈明、市議らは辞職を勧告も 
NEWSポストセブン
活動を再開する河下楽
《独占告白》元関西ジュニア・河下楽、アルバイト掛け持ち生活のなか活動再開へ…退所きっかけとなった騒動については「本当に申し訳ないです」
NEWSポストセブン
ハワイ別荘の裁判が長期化している
《MVP受賞のウラで》大谷翔平、ハワイ別荘泥沼訴訟は長期化か…“真美子さんの誕生日直前に審問”が決定、大谷側は「カウンター訴訟」可能性を明記
NEWSポストセブン
11月1日、学習院大学の学園祭に足を運ばれた愛子さま(時事通信フォト)
《ひっきりなしにイケメンたちが》愛子さま、スマホとパンフを手にテンション爆アゲ…母校の学祭で“メンズアイドル”のパフォーマンスをご観覧
NEWSポストセブン
今季のナ・リーグ最優秀選手(MVP)に満票で選出され史上初の快挙を成し遂げた大谷翔平、妻の真美子さん(時事通信フォト)
《なぜ真美子さんにキスしないのか》大谷翔平、MVP受賞の瞬間に見せた動きに海外ファンが違和感を持つ理由【海外メディアが指摘】
NEWSポストセブン
柄本時生と前妻・入来茉里(左/公式YouTubeチャンネルより、右/Instagramより)
《さとうほなみと再婚》前妻・入来茉里は離婚後に卵子凍結を公表…柄本時生の活躍の裏で抱えていた“複雑な感情” 久々のグラビア挑戦の背景
NEWSポストセブン