ライフ

認知症「自分がどこにいるのかわからなくなる」症状 不安にさせない対処法

どう対応する?

どう対応する?『マンガでわかる! 認知症の人が見ている世界』(文響社刊)より

 認知症になると、自分がどこにいるのかわからなくなることもある。時間と場所がわからなくなるのは脳のGPS機能の低下が原因。これにはいったいどう対処すべきなのか?

 自分の今いる時間、場所がいつ、どこなのかわからなくなるのが「時間と場所の見当識障害」である。私たちの脳にはスマートフォンのGPS機能のように日時や現在地を認識する機能が備わっている。しかし、認知症になるとその機能が低下してしまい、今が「いつ」で、ここが「どこ」なのかわからなくなるのだ。理学療法士の川畑智氏はこう話す。

「その原因の多くは自分を実年齢より若いと思い込んでしまい、昔の世界に戻ってしまうことが考えられます。男性の場合、働き盛りだった30~40代に戻るケースが多いようですが、これは認知症の不安を解消したいために、元気で充実していた古き良き時代に戻ろうとするからではないだろうかと考えられています」(川畑氏)

 健康な人でも旅先などで目覚めたとき、一瞬どこにいるのか、わからなくなることがある。あの不安な状態が続いているのだと想像することで、時間と場所の「見当識障害」が生じている認知症の人に対して、思いやりの心を持って、接することができるだろう。

 まず、その不安を取り除き、安心できるように笑顔で声をかけて落ち着かせ、本人の状態をよく見極めて話を聞くことから始めよう。このとき、同じ目線の高さで話すことも忘れずに。話を聞けば、本人が今いつの時代のどこにいるのか想像できるだろう。

「そうじゃない」と頭から否定せずに、寄り添うことが大切だ。認知症の人が見ている世界と、ケアをする人の世界のギャップを少なくするように接していくには、思いやりのある心と、豊かな想像力が必要なのである。

居眠りから目覚めたとき「働き盛りの自分」に戻っている

居眠りから目覚めたとき「働き盛りの自分」に戻っている。『マンガでわかる! 認知症の人が見ている世界』(文響社刊)より

関連記事

トピックス

中国でライブをおこなった歌手・BENI(Instagramより)
《歌手・BENI(39)の中国公演が無事に開催されたワケ》浜崎あゆみ、大槻マキ…中国側の“日本のエンタメ弾圧”相次ぐなかでなぜ「地域によって違いがある」
NEWSポストセブン
渡邊渚アナのエッセイ連載『ひたむきに咲く』
「世界から『日本は男性の性欲に甘い国』と言われている」 渡邊渚さんが「日本で多発する性的搾取」について思うこと
NEWSポストセブン
 チャリティー上映会に天皇皇后両陛下の長女・愛子さまが出席された(2025年11月27日、撮影/JMPA)
《板垣李光人と同級生トークも》愛子さま、アニメ映画『ペリリュー』上映会に グレーのセットアップでメンズライクコーデで魅せた
NEWSポストセブン
リ・グァンホ容疑者
《拷問動画で主犯格逮捕》“闇バイト”をした韓国の大学生が拷問でショック死「電気ショックや殴打」「全身がアザだらけで真っ黒に」…リ・グァンホ容疑者の“壮絶犯罪手口”
NEWSポストセブン
“ミヤコレ”の愛称で親しまれる都プロにスキャンダル報道(gettyimages)
《顔を伏せて恥ずかしそうに…》“コーチの股間タッチ”報道で謝罪の都玲華(21)、「サバい〜」SNSに投稿していた親密ショット…「両親を悲しませることはできない」原点に立ち返る“親子二人三脚の日々”
NEWSポストセブン
指定暴力団六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
「山健組組長がヒットマンに」「ケーキ片手に発砲」「ラーメン店店主銃撃」公判がまったく進まない“重大事件の現在”《山口組分裂抗争終結後に残された謎》
NEWSポストセブン
ガーリーなファッションに注目が集まっている秋篠宮妃の紀子さま(時事通信フォト)
《ただの女性アナファッションではない》紀子さま「アラ還でもハート柄」の“技あり”ガーリースーツの着こなし、若き日は“ナマズの婚約指輪”のオーダーしたオシャレ上級者
NEWSポストセブン
財務省の「隠された不祥事リスト」を入手(時事通信フォト)
《スクープ公開》財務省「隠された不祥事リスト」入手 過去1年の間にも警察から遺失物を詐取しようとした大阪税関職員、神戸税関の職員はアワビを“密漁”、500万円貸付け受け「利益供与」で処分
週刊ポスト
世界中でセレブら感度の高い人たちに流行中のアスレジャーファッション(左・日本のアスレジャーブランド「RUELLE」のInstagramより、右・Backgrid/アフロ)
《広瀬すずもピッタリスパッツを普段着で…》「カタチが見える服」と賛否両論の“アスレジャー”が日本でも流行の兆し、専門家は「新しいラグジュアリーという捉え方も」と解説
NEWSポストセブン
子宮体がんだったことを明かしたタレントの山瀬まみ
《“もう言葉を話すことはない”と医師が宣告》山瀬まみ「子宮体がん」「脳梗塞」からの復帰を支えた俳優・中上雅巳との夫婦同伴姿
NEWSポストセブン
愛子さま(写真/共同通信社)
《12月1日がお誕生日》愛子さま、愛に包まれた24年 お宮参り、運動会、木登り、演奏会、運動会…これまでの歩み 
女性セブン
海外セレブの間では「アスレジャー
というファッションジャンルが流行(画像は日本のアスレジャーブランド、RUELLEのInstagramより)
《ぴったりレギンスで街歩き》外国人旅行者の“アスレジャー”ファッションに注意喚起〈多くの国では日常着として定着しているが、日本はそうではない〉
NEWSポストセブン