Q3.「昔の世界」に戻ってしまった認知症の人と共有できる話題を教えてください。
A.キーワードは「かきくけこ」です。
【か】過去や家族のこと
【き】季節、天候のこと
【く】苦労話、ただし暗い話はNG
【け】健康のこと
【こ】子供のこと。
これらの話題なら会話は弾み、特に過去のことは「長期記憶」を刺激するので有効です。
Q4.母が誰もいないのに話しかけています。何かが見えているのでしょうか?
A.見えないものが見える「幻視」や見間違えたりする「錯視」は「レビー小体型認知症」の代表的な症例です。これは視覚野のある後頭葉の血行障害や萎縮が原因で、本人には見えているのです。まずは否定せずに「怖いね、嫌だね」と共感し、見間違いのないよう部屋を明るくしましょう。
ハンガーにかかった洋服が人に見えたりする場合は、実際に触らせて安心させることも有効です。窓ガラスに映った自分の姿を他人と勘違いするケースも多いので、窓にカーテンを忘れずに。
Q5.運転免許をうまく返納させる方法はありますか?
運転免許をうまく返納させる方法は?。『マンガでわかる! 認知症の人が見ている世界』(文響社刊)より
A.車体の左側にこすったような傷が目立つようになったら、運転を控えることを検討する時期だと考えたほうが良いでしょう。まずは学校の通学時間や夜間、雨の日などを避ける、行き慣れた病院に行く場合というように、運転時間や行先を条件付きにしましょう。
情に訴えるのも有効な方法です。健康を気遣っていることを理由に、三輪の自転車をプレゼントして、プライドを傷つけることなしに免許返納してもらったという例もあります。