認知症の代表的な症例を知っておく。『マンガでわかる! 認知症の人が見ている世界』(文響社刊)より
家族や親族が認知症になった場合、周りの人間はどう対応すればよいのか? よくある質問について、理学療法士の川畑智氏に聞いてみました。
Q1.認知症には認知機能だけでなく、動きが鈍くなったりすることもあるのでしょうか?
運動機能の低下が顕著になることも。『マンガでわかる! 認知症の人が見ている世界』(文響社刊)より
A.「レビー小体型認知症」と呼ばれるタイプは立つ・座るという動作や、歩きが緩慢になり、運動機能の低下が顕著になります。これは「鉛管現象」といって、体内に鉛の管が通っているように関節が硬くなり、動きにくい状態になるのです。怠けているわけではないので叱ったりせずに、調子の良いときは歩調を合わせ、ゆっくりと散歩に付き添ってあげましょう。
Q2.引っ越した後に、母の認知症が進んだようですが、影響はあるのですか?
A.住み慣れた家や場所から新しい環境に変わることは、認知症の人にとってかなりの負担を強いる場合もあり、それを「リロケーション・ダメージ」と言います。近所を散歩して、新たな環境に慣れさせてあげるのも良いでしょう。