芸能

吉高由里子『最愛』、「リアルタイム視聴がやめられない」理由

ドラマの展開が気になりすぎて…(Getty Images)

ドラマの展開が気になりすぎて…(Getty Images)

 動画配信サービスの充実により、見逃したり、録画し忘れたりしたテレビドラマやバラエティでもかなり自由に視聴できるようになった。そうしたなか、ドラマオタクを自称するエッセイストの小林久乃氏は、現在放送中のあるドラマのリアタイ(リアルタイム視聴)がやめられないという。ドラマオタクを虜にした、吉高由里子主演『最愛』の魅力とは何か。

 * * *
 物語もキャストも2021年末出血大サービス!──そう言いたくなるほど、秋ドラマは面白い。『アバランチ』(月曜夜10時〜、フジテレビ系)では綾野剛さんが法律を完全に無視して凶悪事件を解決、祝・ご懐妊の清野菜名さんは『婚姻届に判を捺しただけですが』(火曜夜10時〜、TBS系)でやたら可愛い。『恋です!〜ヤンキー君と白杖ガール〜』(水曜夜10時〜、日本テレビ系)の杉咲花さんは、相変わらず感動をさせてくれる……と、これ以上、面白さを語っていくと本題から外れてしまうので、この辺でとどめておこう。

 強豪が並み居るなかでも、吉高由里子さん主演のラブサスペンス『最愛』(金曜夜10時〜、TBS系)は、ドラマオタクが軽く興奮している。オリジナル脚本ということで、まったく先が読めず、すべてのシーンに疑念を抱きながらまだ放送は3回を終えたところ。なぜそんなに魅力を感じてしまうのか。その理由のひとつである、物語の“主人公の幼少期〜思春期の衝動”の系譜をたどってみたい。

『白夜行』『Nのために』、そして『最愛』──TBSドラマの系譜

“主人公の幼少期〜思春期の衝動”がドラマを大きく動かしたTBS系の作品といえば、私の記憶にはふたつ残っている。

 まずは『白夜行』(2006年)。主演は山田孝之さん(桐原亮司役)、ヒロインには綾瀬はるかさん(唐沢(西本)雪穂役)だ。大まかな物語は幼少期に出会ってお互いに恋心を抱いていたふたりが殺人を犯す。雪穂に性的虐待をしていた父親を亮司が、自分を売った実の母親を雪穂が殺害した。

 おそらく小学校高学年設定のふたり。誰かを殺めることは犯罪であるという認識はあった。それでも安寧を求めて、大人を殺した。そこから14年間を辿ったものが『白夜行』で、原作は東野圭吾さんだった。最終回で見た、血塗れになってしまった亮司と白ファーを纏った雪穂、そして降る雪。美しく、切なかったことを覚えている。

 そして2014年に放送された『Nのために』。後にこの作品で共演した賀来賢人さんと結婚した、榮倉奈々さん(杉下希美役)の主演作だった。確かドラマは殺人事件の現場からスタート。これがドラマの本筋かと思いきや、もうひとつの事件がふたりの間には潜んでいた。

 そのカギを握るのは、瀬戸内海に浮かぶ島の高校で同級生だった窪田正孝さん演じる成瀬慎司。希美と成瀬はふたりとも家庭環境に悩みながら、密かにお互いを想いあっていた。そんなある日、島で放火による火事が起きて成瀬の実家が全焼してしまう。現場に居合わせた希美は、成瀬が犯してしまったものだと勘違いをして、警察から彼を擁護。ふたりは放火という罪を抱える。そして月日が流れて、社会人になったふたりが再会して……と物語が流れていく。この展開が『白夜行』を彷彿させた。原作はミステリー作家の湊かなえさんだ。

関連キーワード

関連記事

トピックス

女優の趣里とBE:FIRSTのメンバーRYOKIが結婚を発表した(左・Instagramより)
《お腹にそっと手を当てて》ひとり娘の趣里は区役所を訪れ…背中を押す水谷豊・伊藤蘭、育んできた3人家族の「絆」
NEWSポストセブン
過去にも”ストーカー殺人未遂”で逮捕されていた谷本将志容疑者(35)。判決文にはその衝撃の犯行内容が記されていた(共同通信)
《前科は懲役2年6か月執行猶予5年》「ストーカーだけでなく盗撮も…」「5回オートロックすり抜け」公判でも“相当悪質”と指摘された谷本将志容疑者の“首締め告白事件”の内幕
NEWSポストセブン
硬式野球部監督の退任が発表された広陵高校・中井哲之氏
【広陵野球部・暴力問題で被害者父が告白】中井監督の退任後も「学校から連絡なし」…ほとぼり冷めたら復帰する可能性も 学校側は「警察の捜査に誠実に対応中」と回答
NEWSポストセブン
隆盛する女性用ファンタジーマッサージの配信番組が企画されていたという(左はイメージ、右は東京秘密基地HPより)
グローバル動画配信サービスが「女性用ファンタジーマッサージ店」と進めていた「男性セラピストのオーディション番組」、出演した20代女性が語った“撮影現場”「有名女性タレントがマッサージを受け、男性の施術を評価して…」
NEWSポストセブン
『1億2千万人アンケート タミ様のお告げ』(TBS系)では関東特集が放送される(番組公式HPより)
《「もう“関東”に行ったのか…」の声も》バラエティの「関東特集」は番組打ち切りの“危険なサイン”? 「延命措置に過ぎない」とも言われる企画が作られる理由
NEWSポストセブン
海外SNSで大流行している“ニッキー・チャレンジ”(Instagramより)
【ピンヒールで危険な姿勢に…】海外SNSで大流行“ニッキー・チャレンジ”、生後2週間の赤ちゃんを巻き込んだインフルエンサーの動画に非難殺到
NEWSポストセブン
〈# まったく甘味のない10年〉〈# 送迎BBA〉加藤ローサの“ワンオペ育児”中もアップされ続けた元夫・松井大輔の“イケイケインスタ”
〈# まったく甘味のない10年〉〈# 送迎BBA〉加藤ローサの“ワンオペ育児”中もアップされ続けた元夫・松井大輔の“イケイケインスタ”
NEWSポストセブン
Benjamin パクチー(Xより)
「鎌倉でぷりぷりたんす」観光名所で胸部を露出するアイドルのSNSが物議…運営は「ファッションの認識」と説明、鎌倉市は「周囲へのご配慮をお願いいたします」
NEWSポストセブン
逮捕された谷本容疑者と、事件直前の無断欠勤の証拠メッセージ(左・共同通信)
「(首絞め前科の)言いワケも『そんなことしてない』って…」“神戸市つきまとい刺殺”谷本将志容疑者の“ナゾの虚言グセ”《11年間勤めた会社の社長が証言》
NEWSポストセブン
イギリス出身のインフルエンサーであるボニー・ブルー(本人のインスタグラムより)
“タダで行為できます”の海外インフルエンサー女性(26)が男性と「複数で絡み合って」…テレビ番組で過激シーン放送で物議《英・公共放送が制作》
NEWSポストセブン
谷本容疑者の勤務先の社長(右・共同通信)
「面接で『(前科は)ありません』と……」「“虚偽の履歴書”だった」谷本将志容疑者の勤務先社長の怒り「夏季休暇後に連絡が取れなくなっていた」【神戸・24歳女性刺殺事件】
NEWSポストセブン
野生のヒグマの恐怖を対峙したハンターが語った(左の写真はサンプルです)
「奴らは6発撃っても死なない」「猟犬もビクビクと震え上がった」クレームを入れる人が知らない“北海道のヒグマの恐ろしさ”《対峙したハンターが語る熊恐怖体験》
NEWSポストセブン