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『全裸監督』武正晴監督「女性は男性より不条理を経験」、“強い女”を描き続けるワケ

武監督

武監督の率いる現場は緊張感があると語る俳優も

 本作の長編版も「機会があったら撮りたい」と語る武監督。短編のオムニバス映画を制作する『MIRRORLIAR FILMS』プロジェクト自体についてはどう見ているのだろうか。

「このプロジェクトは自由なんですよ。普段ならやらないような作風や作品を試せる面白い企画だと思いますね。長編映画はお金も人もいるけど、短編は機動力と作家の発想で勝負できる。例えば地方に行ったり、そこで協力してくれる人がいるとまた面白くなったり。今回その一番いい例が、安藤政信さんの『さくら、』かな。あれは縁があって金沢で撮影したそうだけど、人の縁を形にしていくというのは短編の方がやりやすいと思います。作品にも迫力がありましたね。ああいう作品は僕には発想できないですよ。

 それから、今作の『暴れる、女』は10年前の脚本の一部を撮ったものですが、山下敦弘監督(45才)の作品『無事なる三匹プラスワン コロナ死闘篇』も僕と似た発想で、10年前に撮影した映像を使って、今全く同じ役者・場所で撮影して上手く繋げた作品。『なんであんなもの撮ってたの?』って今度会ったら聞いてみたいですね(笑い)。個人的に非常に面白かった」

 コロナ禍での撮影となった今作。コロナの影響がさらに長引けば、今後の映画界はどう変化していくのだろうか。

「これからも映画界は、コロナの影響で長期間、長時間の撮影は大変な状況が続くと思います。そういう意味では、短編で表現していくという方法もアリだし、実際に短編の企画が増えているという話も聞きますね。そこである程度の資金を突っ込んだら、さらに良いものができてくると思う。それに、短くて早く終わる現場はみんな好きだからね(笑い)」

【プロフィール】
武正晴(たけ・まさはる)/1967年生まれ。愛知県出身。明治大学在学中に映画研究会へ所属し、自主映画を多数制作。卒業後、映画界へ。工藤栄一監督を筆頭に、崔洋一、石井隆、中原俊、井筒和幸など、数々の名監督の助監督を務める。2007年『ボーイ・ミーツ・プサン』で監督デビュー。2014年、安藤サクラ主演の『百円の恋』を監督し、第39回日本アカデミー賞優秀監督賞をはじめ、国内外で数多くの賞を受賞。近年の監督作品に『ホテルローヤル』、『アンダードッグ』がある。Netflixドラマ『全裸監督』では2シーズンに渡り総監督を務め、大きな話題となる。

取材・文/阿部洋子 撮影/木川将史

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