芸能

秋の新バラエティが早くも“壊滅状態” 民放の番組制作に欠けている視点とは?

『ベストワン』

『ザ・ベストワン』(TBS系)も苦戦が続く(公式HPより)

  この秋の改編期、民放では多くの新バラエティがスタートしたが、それらが早くも大苦戦している。各局の新番組をチェックしていくと、その理由とともに制作サイドに欠けている視点が見えてきた。コラムニストでテレビ解説者の木村隆志さんが解説する。

 * * *
 11月のはじまりとともに秋の新番組がようやくひと通りそろいました。本来、新番組は「新たな話題を提供」「初回特番で盛り上がる」という意味で華やかなものですが、今秋は早くもあやしげなムードがただよいはじめています。

 下記にゴールデン・プライム帯の主な新番組と、個人全体・世帯視聴率を挙げていきましょう(ビデオリサーチ、関東地区)。

○日本テレビ
『一撃解明バラエティ ひと目でわかる!!』10月19日―個人4.8%・世帯8.2%、同26日―個人3.4%・世帯6.4%、11月2日―個人4.1%・世帯7.5%
『おしゃれクリップ』10月10日―個人5.1%・世帯8.9%、同17日―個人4.1%・世帯7.1%、同24日―個人3.8%・世帯6.7%

○テレビ朝日
『ウラ撮れちゃいました』9月23日―個人5.3%・世帯9.1%、10月14日―個人4.0%・世帯7.5%、同28日―個人3.2%・世帯5.8%
『くりぃむナンタラ』10月17日―個人3.1%・世帯5.4%、同24日―個人1.8%・世帯3.4%
『電脳ワールドワイ動ショー』10月2日―個人2.5%・世帯5.1%、同16日―個人1.3%・世帯2.6%、同23日―個人1.8%・世帯3.3%

○TBS
『ザ・ベストワン』10月15日―個人2.6%・世帯4.4%、同29日―個人3.5%・世帯5.6%
『100%アピールちゃん』(MBS)10月11日―個人1.9%・世帯3.7%、同18日―個人1.4%・世帯2.7%、同25日―個人1.7%・世帯3.2%、11月1日―個人2.2%・世帯4.1%

○テレビ東京
『有吉の世界同時中継~今、そっちってどうなってますか?~』10月7日―個人3.4%・世帯5.9%、同21日―個人3.1%・世帯5.5%
『~夢のオーディションバラエティー~Dreamer Z』10月24日―個人1.1%・世帯2.1%

○フジテレビ
『爆買いスター恩返し』10月29日―個人4.6%・世帯8.1%

「新しい」を感じさせる番組の不在

 TBSを代表するお笑いネタ特番をレギュラー化した『ザ・ベストワン』が10月15日も同29日も3時間SPだったにもかかわらず、個人2~3%・世帯4~5%台に留まったことを筆頭に、秋の新番組は極めて厳しいスタートになりました。

 もともと録画視聴や配信視聴の割合が大きいドラマとは異なり、バラエティはリアルタイムで見てもらうための視聴率が重要。だからこそ初回だけでなく、その後も2~3時間の特番仕様が多いだけに、各局から「さすがにこれはまずい」という声が漏れ伝わってきます。

 問題は関係者たちが、「まだはじまったばかりだから仕方がない」「長い目で見ていこう」と言っていられない状況にあること。今から約2か月前の9月、民放各局が新番組を発表するたびに、「どこかで見たようなものばかり」「これは新番組なの?」などの否定的な声があがっていました。

関連キーワード

関連記事

トピックス

防犯カメラが捉えた緊迫の一幕とは──
「服のはだけた女性がビクビクと痙攣して…」防犯カメラが捉えた“両手ナイフ男”の逮捕劇と、〈浜松一飲めるガールズバー〉から失われた日常【浜松市ガールズバー店員刺殺】
NEWSポストセブン
第一子となる長女が誕生した大谷翔平と真美子さん
《左耳に2つのピアスが》地元メディアが「真美子さん」のディープフェイク映像を公開、大谷は「妻の露出に気を使う」スタンス…関係者は「驚きました」
NEWSポストセブン
竹内朋香さん(27)と伊藤凛さん(26)は、ものの数分間のうちに刺殺されたとされている(飲食店紹介サイトより。現在は削除済み)
「ギャー!!と悲鳴が…」「血のついた黒い服の切れ端がたくさん…」常連客の山下市郎容疑者が“ククリナイフ”で深夜のバーを襲撃《浜松市ガールズバー店員刺殺》
NEWSポストセブン
和久井学被告と、当時25歳だった元キャバクラ店経営者の女性・Aさん
【新宿タワマン殺人・初公判】「オフ会でBBQ、2人でお台場デートにも…」和久井学被告の弁護人が主張した25歳被害女性の「振る舞い」
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(Instagramより)
《愛するネコは無事発見》遠野なぎこが明かしていた「冷房嫌い」 夏でもヒートテックで「眠っている間に脱水症状」も 【遺体の身元確認中】
NEWSポストセブン
大谷翔平がこだわる回転効率とは何か(時事通信フォト)
《メジャー自己最速164キロ記録》大谷翔平が重視する“回転効率”とは何か? 今永昇太や佐々木朗希とも違う“打ちにくい球”の正体 肩やヒジへの負担を懸念する声も
週刊ポスト
『凡夫 寺島知裕。「BUBKA」を作った男』(清談社Publico)を執筆した作家・樋口毅宏氏
「元部下として本にした。それ自体が罪滅ぼしなんです」…雑誌『BUBKA』を生み出した男の「モラハラ・セクハラ」まみれの“負の爪痕”
NEWSポストセブン
ブラジルを公式訪問されている秋篠宮家の次女・佳子さま(2025年6月4日、撮影/JMPA)
「佳子さまは大学院で学位取得」とブラジル大手通信社が“学歴デマ報道”  宮内庁は「全報道への対応は困難。訂正は求めていません」と回答
NEWSポストセブン
米田
「元祖二刀流」の米田哲也氏が大谷翔平の打撃を「乗っているよな」と評す 缶チューハイ万引き逮捕後初告白で「巨人に移籍していれば投手本塁打数は歴代1位だった」と語る
NEWSポストセブン
花田優一が語った福田典子アナへの“熱い愛”
《福田典子アナへの“熱い愛”を直撃》花田優一が語った新恋人との生活と再婚の可能性「お互いのリズムで足並みを揃えながら、寄り添って進んでいこうと思います」
週刊ポスト
生成AIを用いた佳子さまの動画が拡散されている(時事通信フォト)
「佳子さまの水着姿」「佳子さまダンス」…拡散する生成AI“ディープフェイク”に宮内庁は「必要に応じて警察庁を始めとする関係省庁等と対応を行う」
NEWSポストセブン
まだ重要な問題が残されている(中居正広氏/時事通信フォト)
中居正広氏と被害女性Aさんの“事案後のメール”に「フジ幹部B氏」が繰り返し登場する動かぬ証拠 「業務の延長線上」だったのか、残された最後の問題
週刊ポスト