「隣で飲めばすぐ友達やね」と冷えた酒で乾杯
「仕事の帰りに、商店街を通って家に帰るまでの道のりにあるから、5年は通ってる。この店で出会って親しくなった人も多いよね。座って飲むのとはまたちゃうねん、こうやって立ってるからこそ、気軽に話せるんだよね」(60代、ビル管理業)
「職場の先輩に誘われて、ふらりと立ち寄ったのが縁で来るようになりましたね。コンビニや自販機の酒買って、家で飲むのとは、なんか違うねん」(60代)
整然と酒が並ぶ店内にはゆったりとした時が流れ、「だいたいいつもお馴染みの面子」だという客らは皆、昭和の時代から通っているという。
宵の口、ほろ酔い顔で店への思いを語りながら、酒を傾ける。
「家から歩いて15分、すぐそこに住んでるから毎日来とる。ここのみんなと仲良うなって、一緒にカラオケも行ったよね。なんでやろなぁ、この店でこの人らの顔見ると安心すんねん。アホな話しかしとらんけどなぁ。姿を見せないと、今日はあの人来とらんなぁって、みんな心配してくれんねん」(70代、自営業)
「家じゃあ誰にも心配されんしなぁ(笑い)。皆でまた唄いに行きたいよ。俺、杉良太郎の『なやみ』って歌が好きやねん。たいした悩みはないけどな」(70代)。
常連の客ら、表情はどこまでも穏やかだ。
「健康の秘訣は早寝早起きと腹八分目。毎日規則正しくこの店へ通ってる。銭湯帰りに一杯、極楽やね」(80代)と朗らかに笑う最年長の常連客が飲んでいるのは『焼酎ハイボール』。
気楽な酒宴、名脇役は冷えた焼酎ハイボール
「スキッとして旨い!毎日飽きずにこれやね。楠でこれ飲まんと俺たちに明日はない!」(同前)
2021年7月12日取材