もうひとつ興味深いのは、城島の役作り。YouTubeの「シンドラ公式チャンネル」の「よい子の部屋」では、城島、大西、有野、ガールフレンド役の井頭愛海、友人役のリョウ(カイドウ)がトークをする。その際の城島とよい子になりきった城島と、ほとんど違いが感じられないのである。つまり素の城島はよい子に近いってこと!? 本人はオカン役にまったく抵抗がなかったという。TOKIOでは、リーダーとしてある意味、オカン的存在だったとも言える。決定的なのは、原作マンガの作者・板羽皆さんも「オカンの姿がとても似合いそう」と深く納得したとコメントしていること。「深く」というところがいい。
50歳からオカン路線で才能を開花させたのだと思うと、これからキャリアを積んで演じてほしい役といえば、ひとつしかない。
『意地悪ばあさん』。
『サザエさん』で知られる長谷川町子のもうひとつの名シリーズで、昭和のころには、後に東京都知事にもなった青島幸男、古今亭しん馬、高松しげおらがドラマで演じてきた。平成期には、市原悦子が演じて「家政婦からいじわるばあさんに」と注目も集めた。ただの腹黒でなく、世間に物申す愛すべきばあさんに、いつかなってほしい。