さらに、「自分には長所があると感じている」という質問に「そう思う」「どちらかといえばそう思う」と答えた日本人は6割超いたが、これも調査国の中では最低だった。一方、ドイツ人は実に9割以上に達し、調査国の中でトップだった。ドイツ人がいかに自分に自信があるかをよく示している。キューリング氏はこうしたデータにも注目している。
「逆に、『自分は役に立たないと強く感じる』という質問には、日本人は5割弱しか否定しなかったのに対し、ドイツ人はやはり調査国中で最も多い7割弱が否定しています。これらのデータから読み取れるのは、日本人の自己肯定感の低さ、そしてドイツ人の自己肯定感の高さでしょう」
こうした高い自己肯定感が、ドイツ人のメンタルの強さを支えていると言っていい。「忖度(そんたく)」社会で自分に自信を失いがちな日本人が、ドイツ人から学ぶべき点は多い。
【参考サイト・文献】
内閣府「我が国と諸外国の若者の意識に関する調査(平成30年度)」
『ドイツ人はなぜ「自己肯定感」が高いのか』(キューリング恵美子著・小学館新書)