ライフ

江原啓之氏が生前葬を勧める理由 スピリチュアルの視点で見る葬式とは

「墓じまいをしてバチが当たるなんてことはありませんから心配しないで」

葬式はなんのために必要か?

「死後の世界への旅仕度」を解説した最新著『あの世の歩き方』がベストセラーになっているスピリチュアリスト江原啓之氏。ある程度年齢を重ねると、「自分の葬式をどうするか?」と考える場面も訪れるが、江原氏が考える葬式のあり方はどんなものなのか? 『週刊ポスト』誌上で語った。【全3回の第2回】

 * * *
 この世じまいで重要なのは、生きているうちに粛々と死の準備を進めることです。残された者に迷惑をかけないためにも、あらゆる面に配慮して備えをしておきましょう。

 そのなかで最も重要なもののひとつが葬式です。宗派や葬儀業者をどうするかなどの悩みやトラブルを避けるには、事前に家族に葬儀の仕方を伝えておくことが重要です。同時に、“本当に華やかである必要があるのか”を考えましょう。

 昔は世間体や見栄などから盛大な葬儀をする傾向にありましたが、昨年から今年にかけては「コロナで亡くなったので身内で葬儀を済ませました」との通知が来るケースが散見されました。これは多くの人が、「葬式は家族内で温かく見送れば良いんだ」と思うようになったことの証左です。

 むしろ私は残された者に迷惑をかけないためにも、生きているうちに呼びたい人を集めて密やかに行なう「生前葬」でも良いと思っています。

 スピリチュアルの視点から言えば、葬式は「故人が死んだことに気づくため」にあります。

 だから家族や親戚、友人や知人が亡くなった時は、「あなたは死にましたよ」と心の中で語りかけてほしい。その声がテレパシーで故人に届いて、「あ、私って死んだのね」と気づけば、それだけで葬式は完了です。

 つまり、故人が「死んだ」と気づけるなら、かたちにこだわる必要はありません。かたちばかり大きくしても、故人が喜ぶわけではないのです。

(第3回につづく)

【プロフィール】
江原啓之(えはら・ひろゆき)/スピリチュアリスト。一般財団法人日本スピリチュアリズム協会代表理事。1989年にスピリチュアリズム研究所を設立。また、オペラ歌手としても活躍。『人間の絆』『自分の家をパワースポットに変える最強のルール46』ほか著書多数。最新刊は『あの世の歩き方』(小学館刊)。

※週刊ポスト2021年12月17日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

(写真/共同通信)
《神戸マンション刺殺》逮捕の“金髪メッシュ男”の危なすぎる正体、大手損害保険会社員・片山恵さん(24)の親族は「見当がまったくつかない」
NEWSポストセブン
列車の冷房送風口下は取り合い(写真提供/イメージマート)
《クーラーの温度設定で意見が真っ二つ》電車内で「寒暖差で体調崩すので弱冷房車」派がいる一方で、”送風口下の取り合い”を続ける汗かき男性は「なぜ”強冷房車”がないのか」と求める
NEWSポストセブン
アメリカの女子プロテニス、サーシャ・ヴィッカリー選手(時事通信フォト)
《大坂なおみとも対戦》米・現役女子プロテニス選手、成人向けSNSで過激コンテンツを販売して海外メディアが騒然…「今まで稼いだ中で一番楽に稼げるお金」
NEWSポストセブン
ジャスティン・ビーバーの“なりすまし”が高級クラブでジャックし出禁となった(X/Instagramより)
《あまりのそっくりぶりに永久出禁》ジャスティン・ビーバー(31)の“なりすまし”が高級クラブを4分27秒ジャックの顛末
NEWSポストセブン
愛用するサメリュック
《『ドッキリGP』で7か国語を披露》“ピュアすぎる”と話題の元フィギュア日本代表・高橋成美の過酷すぎる育成時代「ハードな筋トレで身長は低いまま、生理も26歳までこず」
NEWSポストセブン
「舌出し失神KO勝ち」から42年後の真実(撮影=木村盛綱/AFLO)
【追悼ハルク・ホーガン】無名のミュージシャンが「プロレスラーになりたい」と長州力を訪問 最大の転機となったアントニオ猪木との出会い
週刊ポスト
野生のヒグマの恐怖を対峙したハンターが語った(左の写真はサンプルです)
「奴らは6発撃っても死なない」「猟犬もビクビクと震え上がった」クレームを入れる人が知らない“北海道のヒグマの恐ろしさ”《対峙したハンターが語る熊恐怖体験》
NEWSポストセブン
大谷が購入したハワイの別荘に関する訴訟があった(共同通信)
「オオタニは代理人を盾に…」黒塗りの訴状に記された“大谷翔平ビジネスのリアル”…ハワイ25億円別荘の訴訟騒動、前々からあった“不吉な予兆”
NEWSポストセブン
話題を集めた佳子さま着用の水玉ワンピース(写真/共同通信社)
《夏らしくてとても爽やかとSNSで絶賛》佳子さま“何年も同じ水玉ワンピースを着回し”で体現する「皇室の伝統的な精神」
週刊ポスト
ヒグマの親子のイメージ(時事通信)
《駆除個体は名物熊“岩尾別の母さん”》地元で評判の「大人しいクマ」が人を襲ったワケ「現場は“アリの巣が沢山出来る”ヒヤリハット地点だった」【羅臼岳ヒグマ死亡事故】
NEWSポストセブン
真美子さんが信頼を寄せる大谷翔平の代理人・ネズ・バレロ氏(時事通信)
《“訴訟でモヤモヤ”の真美子さん》スゴ腕代理人・バレロ氏に寄せる“全幅の信頼”「スイートルームにも家族で同伴」【大谷翔平のハワイ別荘訴訟騒動】
NEWSポストセブン
中居正広氏の騒動はどこに帰着するのか
《中居正広氏のトラブル事案はなぜ刑事事件にならないのか》示談内容に「刑事告訴しない」条項が盛り込まれている可能性も 示談破棄なら状況変化も
週刊ポスト