芸能

多くのプロ野球特番が消える中『珍プレー好プレー』だけ生き残るワケ

「新庄フィーバー」が止まらない(時事通信フォト)

『中居正広のプロ野球珍プレー好プレー大賞2021』には新庄監督も出演(時事通信フォト)

 かつてはプロ野球のシーズンオフとなると、プロ野球に関する多くの特別番組が放送されていた。現在はプロ野球中継の視聴率低迷とともにその数は激減しているが、フジテレビの『プロ野球珍プレー好プレー』は放送を続けている。その理由とは? コラムニストでテレビ解説者の木村隆志さんが解説する。 

 * * *
 12日20時から『中居正広のプロ野球珍プレー好プレー大賞2021』(フジテレビ系)が放送されます。今年は東京オリンピックで日本代表チームが金メダルを獲得したほか、大谷翔平選手がメジャーリーグで大活躍し、先日の日本シリーズも大熱戦。さらに今回は、すっかり話題の人となった「BIG BOSS」こと新庄剛志監督がゲスト出演することもあって、例年以上の盛り上がりが期待されています。

『プロ野球珍プレー好プレー』と言えば、1980年代から続くシーズンオフの恒例番組。しかし、かつてプロ野球のシーズンオフには、この番組だけではなく、多くの関連バラエティが放送されていました。

 主なものを挙げると、『プロ野球12球団インドア競技大会』(読売テレビ系・日本テレビ系)、『プロ野球オールスター大運動会』(テレビ東京系)、『プロ野球12球団対抗ゴルフ』(フジテレビ系)、『プロ野球12球団対抗新春リレーマラソン』(東海テレビ・フジテレビ系)、『プロ野球12球団スーパーバトル』(東海テレビ・フジテレビ系)、『オールスタープロ野球12球団対抗歌合戦』(フジテレビ系)、『大相撲対プロ野球 オールスター対抗歌合戦』(フジテレビ系)など多種多様。さらにレジェンドが集う『名球会』関連も併せると10以上の番組が地上波で放送されていたころもありましたが、21世紀に入ったころから減りはじめ、現在ではごくわずかになりました。

 プロ野球中継が無料の地上波ではなくCSや配信での有料コンテンツとして定着し、スポーツニュースでの扱いすら少なくなってひさしい中、なぜ『プロ野球珍プレー好プレー』だけは、いまだに日曜のゴールデンタイムという最も目立つ時間帯で放送されているのでしょうか。

かつて日テレも『珍好プレー』を放送

 前提として挙げておかなければいけないのは、フジテレビが1980年代からプロ野球というコンテンツに積極的だったこと。すべての試合内容を紹介する『プロ野球ニュース』を連日放送し、シーズンオフでも前述したように断トツで多くの番組を放送していました。

 そんな歴史がある上に、『プロ野球ニュース』は地上波放送を終了した2001年以降も打ち切らず、CSで続行。しかも名物企画「今日のホームラン」で当時のBGMを流すなど、長年のファンを大切にする姿勢を打ち出しています。

 つまり、フジテレビは常にプロ野球関連番組の“現役制作局”であり続けているため、ノウハウが受け継がれ、映像の質を保つことが可能。プロ野球ファンの支持を得続けているため、時代の変わった今でもゴールデンタイムで『プロ野球珍プレー好プレー大賞』を放送できるのでしょう。

関連キーワード

関連記事

トピックス

隆盛する女性用ファンタジーマッサージの配信番組が企画されていたという(左はイメージ、右は東京秘密基地HPより)
グローバル動画配信サービスが「女性用ファンタジーマッサージ店」と進めていた「男性セラピストのオーディション番組」、出演した20代女性が語った“撮影現場”「有名女性タレントがマッサージを受け、男性の施術を評価して…」
NEWSポストセブン
『1億2千万人アンケート タミ様のお告げ』(TBS系)では関東特集が放送される(番組公式HPより)
《「もう“関東”に行ったのか…」の声も》バラエティの「関東特集」は番組打ち切りの“危険なサイン”? 「延命措置に過ぎない」とも言われる企画が作られる理由
NEWSポストセブン
海外SNSで大流行している“ニッキー・チャレンジ”(Instagramより)
【ピンヒールで危険な姿勢に…】海外SNSで大流行“ニッキー・チャレンジ”、生後2週間の赤ちゃんを巻き込んだインフルエンサーの動画に非難殺到
NEWSポストセブン
〈# まったく甘味のない10年〉〈# 送迎BBA〉加藤ローサの“ワンオペ育児”中もアップされ続けた元夫・松井大輔の“イケイケインスタ”
〈# まったく甘味のない10年〉〈# 送迎BBA〉加藤ローサの“ワンオペ育児”中もアップされ続けた元夫・松井大輔の“イケイケインスタ”
NEWSポストセブン
Benjamin パクチー(Xより)
「鎌倉でぷりぷりたんす」観光名所で胸部を露出するアイドルのSNSが物議…運営は「ファッションの認識」と説明、鎌倉市は「周囲へのご配慮をお願いいたします」
NEWSポストセブン
逮捕された谷本容疑者と、事件直前の無断欠勤の証拠メッセージ(左・共同通信)
「(首絞め前科の)言いワケも『そんなことしてない』って…」“神戸市つきまとい刺殺”谷本将志容疑者の“ナゾの虚言グセ”《11年間勤めた会社の社長が証言》
NEWSポストセブン
イギリス出身のインフルエンサーであるボニー・ブルー(本人のインスタグラムより)
“タダで行為できます”の海外インフルエンサー女性(26)が男性と「複数で絡み合って」…テレビ番組で過激シーン放送で物議《英・公共放送が制作》
NEWSポストセブン
ロス近郊アルカディアの豪
【FBIも捜査】乳幼児10人以上がみんな丸刈りにされ、スクワットを強制…子供22人が発見された「ロサンゼルスの豪邸」の“異様な実態”、代理出産利用し人身売買の疑いも
NEWSポストセブン
谷本容疑者の勤務先の社長(右・共同通信)
「面接で『(前科は)ありません』と……」「“虚偽の履歴書”だった」谷本将志容疑者の勤務先社長の怒り「夏季休暇後に連絡が取れなくなっていた」【神戸・24歳女性刺殺事件】
NEWSポストセブン
(写真/共同通信)
《神戸マンション刺殺》逮捕の“金髪メッシュ男”の危なすぎる正体、大手損害保険会社員・片山恵さん(24)の親族は「見当がまったくつかない」
NEWSポストセブン
愛用するサメリュック
《『ドッキリGP』で7か国語を披露》“ピュアすぎる”と話題の元フィギュア日本代表・高橋成美の過酷すぎる育成時代「ハードな筋トレで身長は低いまま、生理も26歳までこず」
NEWSポストセブン
野生のヒグマの恐怖を対峙したハンターが語った(左の写真はサンプルです)
「奴らは6発撃っても死なない」「猟犬もビクビクと震え上がった」クレームを入れる人が知らない“北海道のヒグマの恐ろしさ”《対峙したハンターが語る熊恐怖体験》
NEWSポストセブン