1981年の正月が過ぎた頃、赤尾さんが「これ見てみろ」と映画『の・ようなもの』の台本をくださった。森田芳光監督が落語家役でオファーをくれたんです。その後、本格的に役者を目指し、渥美さんの本名の苗字を取って「田所完一」という芸名に変えました。
でも、現場で名前を呼ばれても自分だと気付かない(笑)。4年で元に戻しました。今も撮影中、他の人は役名で声を掛けられるのに、僕だけは芸名のまま。呼びやすくて、覚えやすい「でんでん」で良かった。とても役者の名前とは思えないけど。ハッハッハ。
取材・文/岡野誠
※週刊ポスト2021年12月24日号