スポーツ

2022・箱根駅伝で注目「都大路で快走したスター選手」たち

2021年の箱根駅伝。3区の湯原慶吾から襷を受け取った4区の佐藤一世。

2021年の箱根駅伝、3区の湯原慶吾から襷を受け取った4区の佐藤一世。佐藤は都大路でも活躍した

 12月26日に開催された全国高校駅伝では、世羅(広島)が2年連続11度目の優勝を果たした。この通称“都大路”の高校駅伝は、大学進学後の「箱根路のスター候補」の宝庫だ。今回も将来が楽しみな選手が多く見られた。そうした都大路のスターが、大学で結果を残せるかに着目するのも、箱根駅伝の楽しみ方のひとつと言えるだろう。

 都大路では、最長区間となる1区に各校のエース級が揃い、最後の長い直線での壮絶なラストスパート争いが最大の見どころのひとつとなる。2019年の同大会でその1区で区間賞を獲得し、日本人歴代最高記録を出したのが八千代松陰の佐藤一世だ。

 佐藤は青学大に進学して2年生となり、今回の箱根では優勝候補となるチームの主力に成長した。12月29日に発表された区間エントリーでは補欠登録となったが、当日変更でどの区間に配されるのかが注目される。2019年の都大路1区で佐藤と最後の最後まで競い合い、2秒差で区間2位となった学法石川の松山和希は東洋大に進み、今回の箱根ではエース区間の2区に配置されている。

 一方で、「本当に将来が楽しみなのは、都大路1区を走った選手より、3区で快走を見せた選手」(スポーツ紙デスク)という声もある。都大路の最長区間は1区(10km)だが、2008年以降は留学生ランナーを起用することが禁止となった。そのため、次に長い3区(8.1075km)に留学生ランナーが集中する。「その3区で留学生たちと渡り合った選手こそ、箱根やその先の将来が期待できる」(同前)というわけだ。

 今回の都大路では、5000mの高校記録を持つ洛南(京都)の佐藤圭汰が3区に起用された。世羅のコスマス・ムワンギ、倉敷(岡山)のイマヌエル・キプチルチルら留学生ランナーと互角の走りを見せ、23分10秒で区間4位となった。この記録は、3区での従来の日本人最高記録を18秒も塗り替えた。

「やはり、都大路3区でしっかりと走ってくれるランナーの将来には期待してしまう。2008年に、仙台育英のポール・クイラを相手に食らいついたのが佐久長聖の村澤明伸で、当時の3区の日本人歴代最高記録(23分38秒)を出した。その後、村澤は東海大に進学後、箱根駅伝の“花の2区”で17人をごぼう抜きする走りで区間賞を獲得するなど、箱根路のスターにもなっている。今回の都大路3区で快走した洛南・佐藤は、駒沢大に進学予定。どこまで才能が開花するか、楽しみだ」(同前)

関連キーワード

関連記事

トピックス

まだ重要な問題が残されている(中居正広氏/時事通信フォト)
中居正広氏と被害女性Aさんの“事案後のメール”に「フジ幹部B氏」が繰り返し登場する動かぬ証拠 「業務の延長線上」だったのか、残された最後の問題
週刊ポスト
生徒のスマホ使用を注意しても……(写真提供/イメージマート)
《教員の性犯罪事件続発》過去に教員による盗撮事件あった高校で「教員への態度が明らかに変わった」 スマホ使用の注意に生徒から「先生、盗撮しないで」
NEWSポストセブン
(写真/イメージマート)
《ロマンス詐欺だけじゃない》減らない“セレブ詐欺”、ターゲットは独り身の年配男性 セレブ女性と会って“いい思い”をして5万円もらえるが…性的欲求を利用した驚くべき手口 
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《ブログが主な収入源…》女優・遠野なぎこ、レギュラー番組“全滅”で悩んでいた「金銭苦」、1週間前に公表した「診断結果」「薬の処方」
NEWSポストセブン
京都祇園で横行するYouTuberによる“ビジネス”とは(左/YouTubeより、右/時事通信フォト)
《芸舞妓を自宅前までつきまとって動画を回して…》京都祇園で横行するYouTuberによる“ビジネス”「防犯ブザーを携帯する人も」複数の被害報告
NEWSポストセブン
由莉は愛子さまの自然体の笑顔を引き出していた(2021年11月、東京・千代田区/宮内庁提供)
愛子さま、愛犬「由莉」との別れ 7才から連れ添った“妹のような存在は登校困難時の良きサポート役、セラピー犬として小児病棟でも活動
女性セブン
インフルエンサーのアニー・ナイト(Instagramより)
海外の20代女性インフルエンサー「6時間で583人の男性と関係を持つ」企画で8600万円ゲット…ついに夢のマイホームを購入
NEWSポストセブン
ホストクラブや風俗店、飲食店のネオン看板がひしめく新宿歌舞伎町(イメージ、時事通信フォト)
《「歌舞伎町弁護士」のもとにやって来た相談者は「女風」のセラピスト》3か月でホストを諦めた男性に声を掛けた「紫色の靴を履いた男」
NEWSポストセブン
『帰れマンデー presents 全国大衆食堂グランプリ 豪華2時間SP』が月曜ではなく日曜に放送される(番組公式HPより)
番組表に異変?『帰れマンデー』『どうなの会』『バス旅』…曜日をまたいで“越境放送”が相次ぐ背景 
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《自宅から遺体見つかる》遠野なぎこ、近隣住民が明かす「部屋からなんとも言えない臭いが…」ヘルパーの訪問がきっかけで発見
NEWSポストセブン
2014年に結婚した2人(左・時事通信フォト)
《仲間由紀恵「妊活中の不倫報道」乗り越えた8年》双子の母となった妻の手料理に夫・田中哲司は“幸せ太り”、「子どもたちがうるさくてすみません」の家族旅行
NEWSポストセブン
詐称疑惑の渦中にある静岡県伊東市の田久保眞紀市長(左/Xより)
《大学時代は自由奔放》学歴詐称疑惑の田久保市長、地元住民が語る素顔「裏表がなくて、ひょうきんな方」「お母さんは『自由気ままな放蕩娘』と…」
NEWSポストセブン